フィスト・バトル 拳撃/拳撃
STORY
香港のエンジニア、范克(デビッド・チャン)は、今わの際の父から、タイに異母兄弟がいることをきかされ、一路タイへ。そこで知り合ったムエタイ・ファイターの文烈(ティ・ロン)と友情を結ぶが、八百長試合を強要され困っている彼こそは、捜していた兄だった…。
REVIEW
・・・何と言いましょうか、ストーリー云々よりツッコミ所が多くてもの凄く楽しめますた。
もちろん、物語も展開が読みやすくてよかったです。
まぁでも、張徹(チャン・チェ)監督は姜大衛に何をさせたかったのでしょうか??と思うくらい、この映画の見所は姜大衛が着せ替え人形と化しているところ。
冒頭はグレーのジャケットに黒のパンツってスタイルで地味ですが、タイに行ったとたん暑苦しいまでのスカーフやサイケなパンツ、はたまた最後には赤いテンガロンハットに白いベスト姿にまでなります。もう、やりたい放題(笑)
これだけで、わしとしてはオイシイ演出ですた。
んでもって、姜大衛の役は建築士で父親が道場の主なので、拳法がめっちゃ強い!って設定なんですが、姜大衛のアクションはヨレヨレなんですよねぇ。そこがもう笑いが止まらなかったわい。しかも、物語で建築士にこだわる意味があったのか?と聞きたいくらい建築士に拘る男ですた。
ツッコミ所はたくさんありますが、アクションも結構楽しめると思います。
狄龍(ティ・ロン)と谷峰(クー・フェン)の対決は結構見所あり。ティ・ロンはきっと真面目にこの作品に取り組んだのだろうなぁというほど、ムエタイシーンは恰好よかった。
個人的に姜大衛のほうがタイプなんだけど、ティ・ロンは時々ハッとするような上品な美しい表情をみせるんだよねぇ。そこが凄く素敵なんだけど、このムエタイシーンでもいい表情が観れますた。
でもそんな狄龍も、ラストで大ボス陳星との対決で姜大衛が戦っている間、ボーっと突っ立ている時は「オイッ」ってツッコミましたけど。
けど、姜大衛に比べ狄龍は地味過ぎる。というより、姜大衛が派手すぎ。
まっ、狄龍はスターのオーラがあるから十分なんですが、それを打ち消すほどの姜大衛の衣装が凄いんだよなぁ。真面目なシーンも姜大衛の衣装で笑いに見えてしまう所が何とも言えん。
でも、わし個人としてはそんな演出がかなりツボにはまって好きですた。
あと、タイ人なのにみんな北京語が上手すぎるとか、坂道コロコロ転がる所とか、姜大衛が敵の一人の脇腹を手で穴開けてしまうところとか、見ていてありえん!と思うシーンが多々あってそこも楽しかったです。
もう、ツッコミ所が多すぎて物語の大筋を忘れてしまうような作品ですた。
だけど、ラストはハッピーエンドでよかったです。
っというよりも、あれだけ衣装で遊ぶような映画でハッピーエンドじゃなかったら、おかしな話になるわなぁ・・・
1971年/香港
監督:張徹(チャン・チェ)
出演:姜大衛(デビッド・チャン)/狄龍(ティ・ロン)/井莉(チン・リー)/谷峰(クー・フェン)/陳星(チェン・シン)