HK CINEMA LABO 映画と猫。ときどき雑記帳

映画ときどき猫。音楽、パソコン、趣味

非情の街/義肝紅唇

STORY

ディック(チョウ・ユンファ)とケン(ティ・ロン)は仲のいい刑事。先輩のケンは短気で怒りっぽく、そのせいでいつも問題を起こしている。そして、それを仲裁するのは決まってディックの役目だった。ディックはある日、クラブで歌手をしていたペニーと知り合う。ディックはペニー(ティム・ナウ)に心を惹かれるのだが、彼女には10年間待ち続けている男がいた。

 そんなある日、同僚の刑事ティンが遺体で発見される。ケンは、10年前に彼とティンが逮捕した男・テッドに雇われた殺し屋と推測。それからまもなく、そのテッド(チョイ・シウキョン)が、ケンへの激しい復讐心とともに出所する…。

REVIEW

ん、まぁ何て言いましょうか、典型的な80年代のハードボイルドですな?って感覚です。ティ・ロン&ユンファの友情濃い刑事もん&復讐劇です。

ティ・ロン演じるケンはとにかく正義感あふれる猪突猛進の熱いヤツ。ですがホントにこのケンって男、もうちょっと大人になれんのかいな?と思うくらい激情型。そりゃあ正義感もあるし、警官としての職務を全うしているのは解るんだけど、とにかく周りを観れないヤツなので、年下のディック(ユンファ)がいつもフォローするんだよね?。そんなんだからテッド(チョイ・シウキョン)に恨まれるんだよ?って思ってしまいます。なんなんでしょう、主人公なのに同情ができない。自業自得?って思うキャラなんだよね?。

そして、内容はと言えば、前半に結構コミカルな感じを醸し出していて、一瞬「コメディかな?」と思わせるシーンとかあるんです。特にユンファのお見合いのシーンとか、典型的なコメディの展開を匂わすんですよ・・・

なのに、中盤から怒濤のシリアス路線。ギャップが激しすぎて、ついて行けましぇん!あんなに仲のいい家族があぁぁぁ?!!って事に。

そしてもう一つ言いたいのは、そのティ・ロンの強烈キャラに負けないチョイ・シウキョン演じるテッドのキャラ。いや、もうその設定がね・・・ここでは書けまへん。またやたらと、色気ムンムンなシーンも多々あってお子様のいるご家庭は要注意。

と言うことで、意外にもユンファ演じるディックのキャラが一番控えめですた。テッドの恋人ペニー(ティム・ナウ)がディックと偶然出会った事で彼女は心変わりをするんだけど、その関係は微妙なまま展開。もっと、深く展開すれば面白味が増した気がしたんですけど、どうもこのペニーの描きかたが中途半端なんですよねぇ。おかげでユンファのキャラも薄くなっている気がしますた。出逢いのディスコのシーンが強烈だっただけに勿体ない・・・

見所は、やっぱ最後の銃撃戦ですかね?。それまでの間延びしていた雰囲気がウソの様なド派手なドンパチが観れます。もしかして、このドンパチの為にこの映画作ってませんよね?と聞きたくなるほどのドンパチです。

ですがその銃撃戦の緊張の最中、ここでペニーが現れるんですが、ペニー邪魔すぎ(笑)。その邪魔加減は見ている人しか伝わりませんってくらい邪魔です。

でも、そのぶんハラハラさせてくれます。やっぱりペニーって存在もこの銃撃戦の為に存在してんじゃないか?って思っちゃいますた。

そして強烈なキャラの悪役チョイ・シウキョンはさすがに強かったです。ですが、この時代のティ・ロン&ユンファのコンビはもっと強かった!ってラスト。

けど、最後のケンとディックがどうなったかなんて説明はいらんなぁ・・・しかも、内容もスッキリなんてしません。えぇ・・・

でも、この銃撃シーンは何もかもやりすぎだぜ!ってくらいの展開で見所あり。

1988年/香港

監督:孫伸(サン・チャン)

出演:周潤發(チョウ・ユンファ)/狄龍(ティ・ロン)/(ティエン・ニウ)/徐少強(チョイ・シウキョン)/羅烈(ロー・リエ)/杜麗莎(テレサ・トー)/周文健(チャウ・マンギン)/伊凡威(リッキー・イー)