HK CINEMA LABO 映画と猫。ときどき雑記帳

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【 映画 】イップ・マン 序章/葉問

葉問序章

 STORY

1930年代の中国広東省佛山。家族と共に平穏な日々を送る詠春拳の達人、イップ・マン(ドニー・イェン)。その実力と人格で人々の尊敬を集める一方、彼を倒して名を挙げようとする武術家たちも多く、心ならずも手合わせをしては、いずれも一ひねりにしてしまうのだった。ところが折しも日中戦争が勃発、佛山を占領した日本軍によって家屋を奪われ、窮乏を強いられる。やがて空手の名手でもある日本軍将校・三浦(池内博之)がイップ・マンの実力に目を付け、日本兵たちに中国武術を教えるよう迫るのだが…。

 

REVIEW

多分、かなりの回数でリピするほど鑑賞してます。

なのに、ずーーーっとレビューしてなかった(汗)

この「序章」はね、劇場公開のとき続編の「イップ・マン/葉問」から劇場公開だったんだけど、観客動員が新宿武蔵野館での観客動員が5000人超えたら「序章」公開ってことですた。

沖縄では2作同時に観れたんだけど、先の5000人越えがなければ劇場で観れなかったと思うと思うと感謝だった。

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 この作品でドニー・イェンのスターダムは不動になったと感じる。

ドニーさんは元々アクションスターとしては実力はあるし凄い人だけどね、ここ5年ほどは本当に作品に恵まれていて、本当にドニー・イェンブームが続いている。

イップ・マンとは詠春拳の達人であのブルース・リーのお師匠さん。その彼の生涯を描いた作品。なんかもうね、ドニーさんの為に出来た映画のようで役にどハマりまくり。

 

反日色も強く感じる部分は物語の構成として否めないけど、それ以上に主人公イップに好感が持てる。それより何より久しぶりに格好いいカンフー映画なのだ。

 

前半の、武術家たちの手合わせ場面でかなり場が盛り上がる。特に道場破りのカム・サンチャウ(ルイス・ファン)が出てきてからはどんどん物語に入っていった。

二人がイップの屋敷で手合わせする場面はかなり強弱があって、いろんな小道具を使いまくり、戦いまくり、しかもコミカル。

まぁ意気込んでやって来たカムはイップに叶うはずもなく。。。

とにかく、ドニーさんのアクションが凄まじく、なのに静かで美しい佇まいにただただ惚れる。

 

後半は前半の平和な時期から日本占領下の背景に移り変わるので、ちょっと重くなっていく。ここは重いっきりドラマ部分で、裕福だったイップも占領下の元、屋敷を取られなれない肉体労働に準ずるわけです。そこは結構ハードな内容で日本人なら複雑な感情を抱かざる負えない部分もあり、日本軍兵士、佐藤のイヤなやつっぷりにフンガー!!と息巻いたり...

 

 その日本軍の道場で同胞を殺され日本兵10人相手に怒りに燃えギッタギタにする場面は普段温厚なイップの激しい一面が見られるわけです。

 

本当は敵役の日本人のボスキャラは将校、三浦(池内博之)なんだけど、いかんせんその部下の佐藤がもう「死ね!」って思うくらい嫌な奴でして、どっちかっていうとコヤツがいろいろ引っ掻き回すんです。

三浦はなんだかんだで、礼儀正しい部分もあったり武道家の誇りを感じる男ではあるんですが。。。なのでクライマックスのイップVS三浦の場面はちょっと印象が弱かったりする。

いやー、ドニーさん相手に池内くん頑張ったとは思うんですが、佐藤の存在が印象強すぎ。

 

あと何だかんだで、親友のチョウ(サイモン・ヤム)の工場の工員たちに身を守るために詠春拳を教える場面とかいいんだよね。それが後に報復にきたカムたちVSイップ&工員たちのバトルもなかなか面白い。前半で林と兄弟喧嘩して出て行った弟はカムの手下になっていて、凧を受け取る場面とか切ない。

 

登場人物がそれぞれ魅力的だったりするのも良かった。

イップも頭が上がらない奥さん(リン・ホン)の存在とか、警官から占領下になって日本軍の通訳する李(ラム・カートン)とか、結構それぞれの立ち位置とか解りやすい。

でも個人的にはイップの次に好きなキャラはやっぱカム・サンチャウだねー。

あの考え無しの猛々しさと小狡いとことか、それでいて結構強かったりするキャラで魅力的じゃった。ドニーさんはもちろんだけど、ルイス・ファンもやっぱアクション巧いわ。

 

最初から最期まで間延びすることなく時代に翻弄されながらも、高潔に生きる主人公がやたら格好よくて、しかも何だかんだで戦っているっつー

っとまぁ全面的にカンフーアクションを堪能できる映画です。

 

ってことで、続編「イップ・マン / 葉問」へ続く。

 

 

2008年 香港

監督:ウィルソン・イップ

出演:ドニー・イェン、リン・ホン、ルイス・ファン、サイモン・ヤム、池内博之