HK CINEMA LABO 映画と猫。ときどき雑記帳

映画ときどき猫。音楽、パソコン、趣味

ザ・ミッション 非情の掟/鎗火

STORY

黒社会のボス・ブン(エディ・コー)は自ら経営するレストランで何者かによって襲撃に遭う。ボディーガードは逃げ出すが、ブンが襲われたことを知ったブンの弟ナン(サイモン・ヤム)が襲撃現場に向かいブンは何とか助け出される。そこでナンは以前から顔見知りで今はカタギとなっている腕利きのグァイ(アンソニー・ウォン)を筆頭にフェイ(ラム・シュー)、マイク(ロイ・チョン)、そして腕が立つと評判のロイ(フランシス・ン)とロイの弟分シン(ジャッキー・ロイ)をブンの新たなボディーガードとして雇う。

REVIEW

監督のジョニー・トーは本作で第19回香港電影金像奨・最優秀監督賞受賞。

多分この作品、ジョニー・トー独特の世界観が理解しにくい人にはあまり楽しめる内容では無いかもしれない・・・

ストーリーは凄く単純だし、しかも短い時間で展開しています(81分間)

ジョニー・トー監督は作品によって好きなものと苦手なものがありますけど、この作品は大当たり。荒削りで、話が無理矢理な所もあるがスゲー格好いい作品。

香港映画界のインパクトの強い俳優達が集まっただけあって、男たちの濃ゆ~い世界観が炸裂しています。(メインで出ている女優は1人だけだし・・・)

全体的にセリフが少ないが一人一人の存在感が強くセリフが少なくても十分。と言うかセリフが少ないからこそ生きてくる作品といったほうがいいかも。

中盤のジャスコでのガン・アクションのシーンはこの作品のメインと言っていいです。

5人の男、グァイ、ロイ、マイク、フェイ、シンの役割やキャラクターが皆、痺れるほどイイ男。

そして5人がボスのオフィスで待機中に丸めた紙でサッカーをするシーンや、シンがタバコに細工してそれをグァイが引っかかってしまうシーンに5人の男たちのさりげない友情や遊び心を感じる。

いつも香港映画界で悪役や脇役を務める俳優が主演を演じるとズシリとくる凄い作品が仕上がるんだと実感。5人の他にもボスを演じたエディ・コーやボスの弟ナンを演じたサイモン・ヤムも味わいのある演技で見物。

低予算でカメラワークもシンプルな感じだが角度や背景にこだわっているのが随所に伝わり、暗闇のコントラストに緊張感が漂う。こういう、夜の演出はさすがに上手いなぁと感じますた。

ホントにストーリーは短く、荒削りだが81分間の中に監督のジョニー・トーと俳優陣のチカラ技で作り出した傑作。ラストのオチにも抜かりない仕上がり。恰好いい映画ってこういう映画だと思う。マジで痺れますた

1999年/香港

監督- 杜琪峯(ジョニー・トー

出演-黄秋生(アンソニー・ウォン)/呉鎮宇フランシス・ン)/張耀揚(ロイ・チョン)/呂頌賢(ジャッキー・ロイ)/林雪(ラム・シュー)/任達華(サイモン・ヤム)/高雄(エディ・コー)