HK CINEMA LABO 映画と猫。ときどき雑記帳

映画ときどき猫。音楽、パソコン、趣味

奪舎

STORY

警官のトミー(ウォン・ジーワー)達の目の前で「奪舎で生き返る」という言葉を残しチーワ(ン・シンリン)はビルから飛び降り自殺を図る。死んだはずのチーワは生き返り何事もなかったように立ち去る。

敵対するヤクザの金を奪おうとしたピウ(ワン・ヨンミン)達は銃撃戦を起こし、偶然駐車違反の取り締まりをしていたトミーは逃走を図るピウにひき逃げされ半身不随に。その場に居合わせた男、ガイ(ダニー・リー)もピウの銃弾に撃たれ意識不明の重体に陥る。

そこでチーワの事を思い出したトミーと恋人は彼女の元へ。「奪舎」で生まれ変わろうとガイの身体を借りる事にするが・・・

REVIEW

ン・シンリン演じる女が投身自殺を図るが生き返ってしまうとこから物語りは始まる。

オカルト的で怖い映画かなぁと思っていますたが、コメディ展開で個人的にはかなり楽しめますた。

「奪舎」とは道教で他人の身体に生まれ変わることだそう。

物語はウォン・ジーワー演じる警官トミーが銃撃戦の末、逃亡を図ろうとする強盗(ワン・ヨンミン)にひき逃げに遭い半身不随になり、またその現場に居合わせ意識不明となったガイ(ダニー・リー)‘奪舎’で生まれ変わる。

もちろん、身体はガイ(ダニー・リー)で意識はトミー(ウォン・ジーワー)なもんだから、てんやわんやというワケであります。

しかもガイはどもりの酷いチンピラで地元に帰れば妻の他に2人の愛人をこさえ、借金まみれのロクデナシ。しかも、自分を半身不随にした強盗団の一味。しかもオッサンなもんで、中身はトミーと解っている恋人にすら、男を感じないと言われてしまう。

で、そんな鶏として生まれ変わったトミーなんですが、すでに後悔しまくる。

しかも、生まれ変わるときに余計な‘誓い’を立てたもんだから、困ったことに。

開始15分くらいまでシリアスなものだと思っていたし、その割には期待できる映画では無いなぁなんて勝手に想像していたけど、トミーがガイに生まれ変わったあたりから雰囲気が一変。展開は物凄く単純な感じではありますが、ツボを刺激する笑いが点在していて、なかなか楽しめる。

個人的にはウォン・ジーワー目当てで見ていたはずなのに、何だかダニー・リーのコミカルな演技や表情で楽しく鑑賞できますた。

そして、鶏の妹役のエイダ・チョイが適度に面白さを発揮して、魅力がある。

この妹は中身がダニーである鶏に惚れてしまうんで、これも厄介ごとのタネになってしまうんですねぇ。

てんやわんやな展開で結局、強盗への復讐はどうなったんだ??って思っていたら、ちゃんとクライマックスで見せ場があって、派手な銃撃戦のあとバスでのカーチェイスが物凄い。

車破壊しまくりで派手な見せ場もちゃんと演出されて、見応えありですた。

結局「なんじゃ、そら!」って感じのムリヤリな話なんですが、こういう作りの物語はかなり好きです。

シンリン演じる女チーワはトミーに奪舎を教えた存在として、ちょこちょこ出演。

その彼女が、最後に不敵な笑いを残して物語は終わる。それが、ちょこっとブラックな一面を見せて印象深いものがありますた。

物語は印象を残しつつも一応、ハッピーエンド。

で、ゲストで出演しているエミール・チョウの存在とか伏線もちゃんとあったりしてなかなか細かい演出も楽しめる。

やっぱ、ウォン・ジーワー好きだなぁ・・・なんて思いつつもコミカルなダニー・リーにかなり魅力を感じる作品ですた。

1997年/香港

監督:邱禮濤(ハーマン・ヤウ

出演:李修賢(ダニー・リー)/黄子華(ウォン・ジーワー)/蔡少芬(エイダ・チョイ)/呉倩蓮 (ン・シンリン)