生日快樂
STORY
小米(レネ・リュウ)は、幼くして母を亡くしたことが原因で誰からも安心感を得ることができず、愛に臆病になっていた。そんな彼女が唯一心を開いているのは、大学時代からの友人・小南(ルイス・クー)。小米は、自分が彼を愛していることをわかっていたが、いつか関係が壊れることを恐れて、自分の気持ちに素直になれずにいた。一方、小南にとってもまた、小米はとても大切な人だ。留学で離ればなれになった時も、他の女性と付き会っている時も、いつも心の中に彼女がいた。しかし、彼が小米に歩み寄っても、決して彼の気持ちは受け入れてもらえない。そんなこんなで、2人は友達以上恋人未満の関係で何年も過ごしてきた。
そして、ようやく小米が自分の気持ちを小南に伝える決心ができた時、彼は他の女性と結婚するため、突然上海へ行ってしまう…。
REVIEW
レネ・リュウが書いた短編小説をシルビア・チャンが脚色した恋愛映画。
レネ・リュウ演じる愛に臆病な女性、小米とルイス・クー演じる小南の10年間の軌道の物語。
物語は全体的に淡々と展開して物静かな印象を受ける。
こんな淡々とした作品っていうのはオチが読めてしまう。この作品も予想通りの展開だったんですが、わかっているはずなのに最後は凄く切なくて、泣きたくなりますた。
もう物語の主人公である小米と小南の関係がすごくもどかしい。
周りからすれば、ハッキリ言って思わせぶりな大迷惑な存在でもある。
その着かず離れずの間にきっと見ているほうもモヤモヤしてしまう。でも、それが凄く切なくさせてくれるんだよなぁ・・・
大事な人との関係を終わりにしたくない小米は一度恋人だった小南を友達というカテゴリーのなかで小南との関係を保つ。その間に小米も小南も別の恋人を見つけてはいるんだけど、それでも気持ちが離れられない間柄。
だからこそ、「生日快樂」のメールはこんなにも嬉しく切ないのだなぁと言うのが画面を通して感じられる。
最後、小南の取った行動にこれでよかったんだろうか?と疑問も残る。
第三者からすれば小南の行動は優しくて残酷だからだ。
もし、わしなら正直に話して欲しかったし、事実を知ってしまったら後悔の残る一生でしかないんじゃないか?と思う。
でも、小米のあの臆病な心を知っているから、小南はあの行動に出だんだろうなぁとも感じる。
誰かが自分の前から去ってしまうのを怖がる小米のことを考えたら、まだ、小南の存在が小米のなかであり続ける方が大事だったんではないかなぁ・・・
例え、一生逢えなくても「生日快樂」というメッセージだけで繋がりあえる事ができるのだから。
それでも、いつか小米が事実を知ってしまったとき彼女はどうすんだ??ってやっぱり思っちゃうけどね・・・
もし、自分が小南の立場なら?小米ならば?どう答えが出せるだろう。
物語は最後までもどかしい。何か考えさせられる映画だったなぁ。
でも、優しく切ない物語でもありますた。
2006/香港
監督:馬楚成(ジングル・マー)
出演:古天樂(ルイス・クー)/劉若英(レネ・リュウ)/曾寶儀(ボーイ・ツァン)/周俊偉(ローレンス・チョウ)/呉嘉龍(カール・ン)/呉耀漢(リチャード・ン)