HK CINEMA LABO 映画と猫。ときどき雑記帳

映画ときどき猫。音楽、パソコン、趣味

龍城恋歌/龍城正月

STORY

チャン家の結婚式の日。華やかな披露宴は、突如現われた暗殺者によって一家惨殺の場と化した。唯一生き残ったのは花嫁のランチュエン(ン・シンリン)のみ。彼女は復讐に燃え、数年掛けてその首謀者を突き止める。暗殺者を雇ったのは、長年チャン家と反目してきたドラゴン・タウンの地主シオンだった。殺された夫と家族の仇を討つため、名うての殺し屋リーにシオンの暗殺を依頼するランチュエン。しかし、リー(ユウ・ヨン)はその依頼を断る。彼女は自ら暗殺に向かうも失敗し傷を負ってしまう。そこへリーが再び現われ、彼女に暗殺を請けおうと告げるのだった…。

REVIEW

物語は復讐劇を描いた物々しい映画なのかと思いきや、家族を殺された女と殺し屋の男のラブストーリーですた。

全体的に重くもなく、あまり盛り上がる物語ではなかったし恋愛部分も先が読める展開でしたが、映画の雰囲気は悪くなく鑑賞しやすい映画ですた。

ただ中盤以降の展開が早すぎる気もするし、物語のオチの付け方は単純過ぎるかなぁ・・・安心出来るラストだけど、少し物足りなさも感じる。

基本ハッピーエンドが好きだけど、もう少しランチュエンとリーの二人の関係にメリハリがあればなぁと感じる。二人の微妙な心の動きを描き切れてない感じがしてしまう。そして淡々としすぎている印象。

却って、復讐相手のシオンが最後椅子に腰掛けて妻を眺めている場面にやりきれなさと切ない感情が入り交じって、そちらの方にドラマ性を感じますた。

でも復讐相手である実力者の駆け引きや心情が垣間見れる部分が上手く描かれていたのと、その家族の人物像をちゃんと描いていたので退屈せずに済んだ要素の一つだったかも。

あと、ン・シンリンの雰囲気の良さだね、やっぱ。

この女優さんはわしのお気に入りの女優の一人だけど、雰囲気というか佇まいがいい。あの凛とした雰囲気でリンチェンというキャラクターの背景が伺えた。

監督の楊鳳良は副監督として張藝謀の元にいた人だし、張藝謀自体が製作総指揮とあって、色彩や背景は美しく素晴らしい。石畳や街の風景が情緒的で印象強い。こういう要素は世界観に浸れて凄く好きですた。

1996年/中国

監督:楊鳳良(ヤン・フォンリャン)

出演:呉倩蓮(ン・シンリン)/尤勇(ユウ・ヨン)/黄中秋(ホアン・チョンチュウ)/林威(リン・ウェイ)