HK CINEMA LABO 映画と猫。ときどき雑記帳

映画ときどき猫。音楽、パソコン、趣味

バレット・オブ・ラブ/不死情謎

STORY

香港特殊警察部隊のサム(レオン・ライ) は、長年追っていた武器麻薬密売犯罪組織のリーダー、ナイト(テレンス・イン)を 死闘の末、遂に捕らえた。裁判でナイトに追い打ちをかけたのは、サムの恋人であり、検事を務めるアン(瀬戸朝香)。ところが判決の結果、ナイトはたった禁固5年の刑 に。

 香港の喧噪を忘れるために二人はパリ旅行へ向かう。モンマルトルの丘で、アンにプロポーズしたサム。そんな幸福な時間もつかの間、香港からずっとサムたちを狙っていた銃口が、アンの命を奪ってしまったのだ・・・。

 二年後、失意のサムの前に、アンと酷似した日本人カメラマン(瀬戸・二役)が現れた。これは罠か、運命の悪戯か。ユウと名乗るその女性に心奪われていくサムだっ たが・・・。

REVIEW

日本の俳優が香港映画しかもメインってなると、まぁアレですよ、言葉の問題、アクションとかその他諸々の状態でグダグダ感が拭いきれないのですが、この映画に関していえば、瀬戸朝香は頑張っていたと思う。広東語に関してはまぁ酷いもんでしたが、物怖じしない雰囲気があって存在としては悪くないと感じました。ちょっとしかアクションもなかったですが、結構上手いと感じたしね。

まぁ、ひとつ言わせてもらえれば、ユウという役柄の時は英語&日本語で通していたほうが良かったかも。

レオン・ライは悲しみに暮れる姿を見ると、俄然いい味を出すというか、大切な人を失ってポッカリと心に空洞ができてしまう男を演じる姿はイーキンと共通して、いいものがあるんだよなぁ・・・

物語は冒頭激しい銃撃と攻防が繰り広げられる。そこは物語の入り口として、悪くないスタート。っで、犯人のテレンス・インが捕まって裁判の後、刑事のサム(レオン・ライ)と恋人アン(瀬戸朝香)はパリで旅行するシーンになるわけだけど、そのパリのシーンはもう少し短くしても良かったような気が・・・

その後、アンがいなくなって2年後大澳で静かに暮らすサムの目の前にアンにそっくりな顔の女ユウ(瀬戸朝香)が現れるわけだけども、この大澳の日々が上手く描けていたように思う。まぁ冒頭の激闘を観るともの凄く温度差を感じてしまうけど。

失意のサムとユウが大澳で仲間と過ごしていくうちに惹かれあっていく所とか説得力があったし、何より仲間を演じたドナルド・チェンやン・チーホンといった存在が物語を盛り上げてくれた様に思うんだよね。

あと、敵役のテレンス・インとリチャード・サンは同じタイプの悪役だったので、そこをもう少し練り込んで欲しかった。というより、テレンス・インに関しては、こういう役が多すぎて勿体ない。もっと上手い使い方があるだろうに・・・とも感じてしまう。

そして、ユウの正体を知ってからの展開が早すぎ!やっぱり配分を間違ったようにも感じる。まぁユウの正体については初めからシナリオが予測できた事なんだけど、それでも、正体を臭わすような演出を徐々に見せてくれたほうが良かったと思う。

ユウの正体がアッサリ解った瞬間、ユウの結末にどう決着つけるのかそれが心配だった。個人的にはあのオチでよかった。まぁ悲しい結末だけど、中途半端に描くよりは締める所はちゃんと締めていたので一安心ですた。

まぁ設定に無理矢理な感じは大いにありますし、ペース配分も間違っている気は否めないですが、何だかんだで最後のユウの姿が切なくて、終わりよければ全てよしって気分になりました。

2001年/香港

監督:劉偉強(アンドリュー・ラウ

出演:黎明(レオン・ライ)/瀬戸朝香/尹子維(テレンス・イン)/孫國豪(リチャード・サン)/鄭中基(ドナルド・チェン)/呉志雄(ン・チーホン)/陳惠敏(チャーリー・チェン