HK CINEMA LABO 映画と猫。ときどき雑記帳

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蒼き獣たち/五虎将之決裂

STORY

レオン刑事(レオン・カーヤン)率いる香港警察特捜班のメンバー、賊仔明(アンディ・ラウ)、頭皮仔(トニー・レオン)、阿邦(フェリックス・ウォン)、華哥(ミウ・キウワイ)。麻薬取引きの情報を得た彼らが深夜に現場で張り込んでいると、何とそこに現れたのはティン刑事の義弟ケン(ケン・トン)だった。彼らはドンを取り押さえるものの、涙ながらに見逃してくれと懇願する彼を逃がしてしまう。さらに、現場に残された取引金1千万ドルに目がくらんだ賊仔明と頭皮仔は、その金を横領してしまい…。

REVIEW

91年製作。1980年代TVBで“五虎将”と呼ばれ活躍した5人を10年ぶりに集結させて作った作品。そのメンバーはアンディ・ラウトニー・レオン、フェリックス・ウォン、ミウ・キウワイ、ケン・トンの5人。

まぁアイドル映画的な感覚で認識した方がいいかなぁと思います。

ひとり一人の演技はいいんです。でも、物語の展開自体が無理があるような気がしますた。前半と後半の温度差がありすぎる。前半はアンディとトニーが明るい雰囲気で楽しい映画かな?と思いきや、物語が進むにつれシリアスな展開でしかも救いようがない。ちょっと居心地が悪い感じですた。

最初からシリアスな感じだったら、まだ後半の展開に違和感を感じなかったんだけどなぁ・・・

あと、やっぱり警官が大金に手をつけてしまった所が同情できないっつーか、自業自得じゃん?ってちょっと思ってしまうんだよねぇ・・・

個人的にはアンディ&トニーのお気楽刑事コンビがバーベキューの場面で踊りだしたりする所とか結構好きだったんで、まさかそんな展開になろうとは!ってショックが大きかったなぁ。

そのシリアスな展開に口火を切るのがトニーさんなんですが、トニーさん、この頃「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー3」が被っていて坊主頭なもんだからカツラでの出演なんです。んで、トニーさんが撃たれてしまってアンディがトニーさんを抱きしめ号泣するシーンでズラがズレてしまうんですよねぇ。

シリアスなシーンなのに笑いが込み上げますた。撮り直しするヒマがなかったんでしょうか??まぁそこが香港映画らしくっていいですけど(笑)

物語はどんどんシリアスな展開になり、それに比例するように敵役のケン・トンの存在に怒りが湧いてきます。だけど、この存在がなければ物語は盛り上がりに欠けたかも知れない。

全体的に出演陣に助けられたような映画でしょうねぇ。ひとり一人の存在感はいいと思います。でも、物語自体に魅力はあまり感じられないなぁってのが正直な意見です。

クライマックスで湯鎭業を追いかけるシーンのバックで流れる音楽がこれまた軽すぎて、変に冷めた目で観てしまいますた。そしてラストのアンディの銃捌き、アレもうちょっと短かったら格好よかった・・・長すぎやねん!ってつっこみましたもん。

でも、若き日のアンディ&トニーの組み合わせが観れたことだし、懐かしい気持ちでみるとそれなりに楽しめますた。ですが、出演陣のファンじゃなければ鑑賞しづらい部類の作品だと思います。

監督: 曾志偉(エリック・ツァン

出演: 劉徳華アンディ・ラウ)/黄日華(フェリックス・ウォン)/梁朝偉トニー・レオン)/苗僑偉(ミウ・キウワイ)/湯鎭業(ケン・トン)/梁家仁(レオン・カーヤン)