HK CINEMA LABO 映画と猫。ときどき雑記帳

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血と報復の掟/捕風漢子

STORY

ガオ刑事(アレックス・マン)は、2人組の強盗が屋敷に侵入する現場を目撃。激しい銃撃戦の末に1人を射殺するが、あえなくもう1人を捕り逃がしてしまう。その屋敷の婦人オリビア(エリザベス・リー)の日記を手にしたガオは次第に彼女に惹かれていく。そんなガオの姿を見た後輩でルームメイトのアシン(チャウ・シンチー)は彼に協力する。

一方、弟をガオに射殺された強盗の男(シン・フイオン)は復讐の機会を窺っていた・・・。

REVIEW

まぁ色々とツッコミ所はあるんですが、とりあえず星爺の初期の出演作品ということで久々の鑑賞。

この映画のオープニングに「英雄熱涙」ってタイトルが出ますが、それは台湾版でビデオ化されたタイトル。しかも北京語で吹き替えです。

香港版タイトルは「捕風漢子」といいます。実質的なデビュー作品はダニー・リー主演の「霹靂先風」ですが、この作品はシンチーの初の劇場公開作品です。

内容は、まぁありきたりです。でも、いいんです若き日のシンチーが拝めるんですから・・・と言いたい所ですが、さすが香港映画、ツッコミ所も満載なんですよね。

もう、主役のアレックス・マン演じるガオがストーカーちっくと言いましょうか、人妻の日記を盗み見るんですよねぇ。刑事のくせに・・・

しかも、シンチー演じる部下アシンを知的障害を持つ弟と称して彼女に近づいたり、オリビア夫婦がジャスコで買い物をしている所に偶然を装いしっかりオリビアに近づいていきます。っていうか仕事しろっつーの!(笑)

で、日本語タイトルを見る限りではハードボイルドな雰囲気ですが、刑事と人妻の恋愛ものです、コレ。

我らがシンチーは、ガオの部下でルームメイトって設定。初期の作品にも関わらず、結構な役どころで出番が多いです。んでもって、この当時シンチーは26歳くらいですが十代にしか見えない。すっごく若く見えます。わし、このシンチーを見るために鑑賞したようなもんです。可愛らしいんだよねぇ。

そして、人妻オリビアにガオを近づけるため知的障害の弟のフリをしますが、コメディキング周星地の片鱗が窺える演技ですた。やっぱ、この頃から喜劇を演じる素質は十分にあったんだなぁって感じますた。

でもやっぱり、この頃のシンチーのラストは痛々しい殺されかたなんですよねぇ。ガオに恨みを持つ強盗(シン・フイオン)に、とばっちりで殺されてしまう悲しい役ですた。

で、この主人公ガオがねぇ・・イヤ、確かにアシンが殺された直後はショックですよーって感じではありますが、どちらかというと人妻オリビアの事で頭がいっぱいなんですよね・・・弟分が殺されたばっかっつーのにオマエは!!ってちょっと思いますた。

そのうえ、ラストのシン・フイオンとの対決もさほど盛り上がらず・・・銃弾に倒れたガオにオリビアの旦那は「妻の命の恩人だ!」とかなんちゃら言っちゃってるけど、何も知らない旦那がこれまた悲しすぎ。でもって、なんだかガオとオリビアはハッピー・エンドなラスト。なんじゃそれ!っとかなりつっこませて頂きますた。

まぁ何だかんだで物語自体にさほど面白さは感じませんが、若き日の可愛いシンチーが拝めたので個人的にはよかったです。っていうか、シンチーがいなかったら途中で挫折したであろう作品ですた。

1988年/香港

監督:頼健國

出演:萬梓良(アレックス・マン)/李美鳳(エリザベス・リー)/周星馳(チャウ・シンチー)/成奎安(シン・フイオン)