HK CINEMA LABO 映画と猫。ときどき雑記帳

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スウォーズマン 剣士列伝/笑傲江湖

STORY

宮中の書庫に保管されていた武術の秘伝書"葵花寶典"が盗み出された。その奥義を極めれば世界を支配できるといわれる秘伝書である。宮中警備に当たっていた宦官長は、先日退官したばかりのラム氏が犯人だと睨み、秘伝書を奪回しに兵士隊を差し向けるが、その場に居合わせた華山派の剣士リン・コチュウ(サミュエル・ホイ)に遮られ失敗に終わる。だが深手を負ったラムは、秘伝書の隠し場所をリンに伝えると命尽きてしまった

REVIEW

金庸小説「笑傲江湖」が元ネタ。

たぶん、本作『剣士列伝』より、ブリジット・リンが出演している『スウォーズマン/女神伝説の章の方』が人気があるとは思いますが、わし個人としては原作に近いコッチのほうが好きです。

あっ、でも原作に近いって言っても要所要所だけですけど・・・

2時間近くの長さがありますが、物語の面白さに時間の経過を感じさせなかったです。原作を知っている分にははしょり過ぎとは思いますが、あれだけ長い物語を割と上手くまとめている感じがしますた。

個人的には何と言っても出演している役者に魅力を感じます。

主人公のサミュエル・ホイはもちろんですが、順風堂堂主演じたウー・マとラム・チェンイン演じた日月神教のコク老人の友情がいいんだよねぇ。そして、ちょっと悲しくて泣ける。サミュエル・ホイ演じるリンと船上で「笑傲江湖」(滄海一声笑※主題歌)を唄うシーンはかなりお気に入りですた。

悪役のラウ・シュンも印象的というか、悪徳高官役が似合いすぎ。そのラウ・シュンの部下を演じた張學友さんもよかったです。何かこう野心家で小狡くて小心者な役を上手く演じてる。

ちなみに今回、デジタル・リマスター版で鑑賞したんですが、特典に最近の學友さんインタビューがありますた。演技や共演者について語っていますたが、スターなのに謙虚な人だなぁって凄く好印象ですた。

話は戻りますが、見所はアクションシーンですかね、やっぱり。2作目の「女神伝説の章」ほど派手ではないですが、それでも十分にダイナミックだし、人の動きに合わせた小道具やセットの細かい演出がよかったです。

そして、ラストが個人的には好きでしたねぇ。

イップ・トンがかなりよかった。全体的にイップ・トンのキャラクターは好きでしたが、最後の表情が特にいい。

サミュエル・ホイが馬で立ち去ろうとするシーンがグッと来たなぁ。あの演出はかなり好きですた。

確かに、物語としては原作の面白さは超えませんが、演出がわし好みで、なにげに豪華な役者。そして耳に残る主題歌「滄海一声笑」(黄霑 作詞作曲)が個人的にかなりお気に入りです。

1990/香港

監督:胡金銓(キン・フー)※途中降板→徐克(ツイ・ハーク)/程小東(チン・シウトン

出演:許冠傑(サミュエル・ホイ)/葉童(イップ・トン)/張學友(ジャッキー・チュン)/張敏(チョン・マン)/袁潔瑩(ファニー・ユン)/元華(ユン・ワー)/劉洵(ラウ・シュン)