HK CINEMA LABO 映画と猫。ときどき雑記帳

映画ときどき猫。音楽、パソコン、趣味

ランチ・ウィズ・チャールズ/與査理斯午餐

STORY

夫の夢を理解し香港とカナダで別々に暮らすエイプリル(テレサ・リー)は、夫トン(ラウ・チンワン)を待ちきれなくなり、結婚指輪を送り返し他に男性ができたと嘘をつく。すれ違いの連続で新たな出会いをするふたりだったが…。

REVIEW

以前から気になっていたラウチン出演作品を鑑賞しますた。香港・カナダ合作といっても舞台はほぼカナダです。カナダの監督さんなので、いつもの香港映画とはもちろん違った雰囲気、でも個人的に気に入りますた。

いわゆる、ユーモラスたっぷりなロードムービーって言ったらいいのかな?それに加えてカナダの広大な風景がこの映画を盛り上げてくれているような気がしますた。

あと、キャラクターの描き方が好きですた。

登場人物のキャラクターが実際普通にいそうだし、それぞれのキャラの欠点も生かしている所に親近感が湧く。そのうえで魅力的。

この物語はもどかしい。だが、そのもどかしさが良いなぁと感じる。

物語の間、ラウチン演じるトンとテレサ・リー演じるエイプリルの夫婦はすれ違い、ふとした事から宿屋の夫婦、マシューとナターシャに関わる。そしてお互いのパートナー同士が偶然、行動を共にするはめになり何度も何度もすれ違う。そんな事ありえんだろーと思うくらいすれ違うが、そのありえないようなすれ違いが面白く交差して展開しているので、さもありえるように感じる。

そのすれ違いのなかで、トンもエイプリルも、マシューも、ナターシャも一時立ち止まり、そして新たに前へと進んでいく所が凄くいい。

この映画、展開も好きだけど役者さんもそれぞれが皆イイ味出している。

ラウチンに関して言えば、やっぱりこの人はいい役者だなぁって改めて感じますた。

ラウチン演じるトンは音楽という夢を半ば諦めかけている人。そのキャラクター設定は日常の現実にいる人とそんなに変わらない。いわゆるどこにでもいる普通の男。でも、そんな普通の人を淡々と演じながらも、このトンという男の心情を上手く表現しているなぁって思いますた。

でっ、この普通の男を演じているラウチンがすごーく素敵に見えるんだよねぇ。雰囲気が味わいがあるというか、何て言ったらいいのかな? 噛めば噛むほど味が出る感じ。

この物語で主人公たちが出した答えは賛否両論に意見が分かれると思う。わし自身も予想していた結果とは違っていますた。でも、トン、エイプリル、マシュー、ナターシャ、4人がバンフへと向かったあの数日間はそれぞれが自分自身を前進させる為の大切な時間だったと思う。

それは少しほろ苦さも残るけど、でも暖かくなるような未来を感じるラストですた。

2001年/カナダ・香港

監督:マイケル・パーカー

出演:劉青雲ラウ・チンワン)/李綺紅(テレサ・リー)/葉芳華(フランソワーズ・イップ)/ビフ・ネイキッド/テレンス・リー