HK CINEMA LABO 映画と猫。ときどき雑記帳

映画ときどき猫。音楽、パソコン、趣味

ファイナル・ファイター 鉄拳英雄/中華英雄

STORY

青島。日中戦争を生き抜いた兵士ジェット(リー・リンチェイ)は天涯孤独の身の上で、兄貴分のチョウを頼って同地へやってきた。戦地で負傷して以来、車引きで生計を立てていたチョウを手伝うようになるジェット。だが、駐留していたハン大佐指揮下の海兵隊が横暴をきわめ、ジェットらと争いを繰り返すようになる。ジェットは酒場でと一騎打ちに挑み、勝利を収めるが・・・。

REVIEW

リンチェイの最初にして最後?の初監督作品。

だけど以前からあまりいい評価は聞かなかったし、彼の監督作品はコレ一本という事で怖いモノ見たさで鑑賞しますた。

見終わった感想は「良い選手が良い監督になるとは限らない」って言われるようにリンチェイは役者として活躍するほうがいいと思いますた。

リンチェイ自身この映画を撮った後、監督業は自分に合わないと悟ったみたいです。その選択は正解のような気がしますた。

リンチェイはこの作品で戦争によって起こる差別とか不平等な世界を訴えたかったのかなぁ?その割には戦争シーンは冒頭だけだし、物語の軸がどんどんズレていった気がするんだよねぇ。

中盤までは米兵とのファイティングバトルのような展開なんだけど、後半から復讐劇へと一変してしまう。唯一、明るい雰囲気をもったキャラクターはリンチェイのみなのに、そのリンチェイがどんどん窮地に追いやられて復讐に燃えてしまうので物語がどんどん暗くなっていくんですよねぇ。

全体を通してリンチェイのファイトシーンが見れますが、結構殴られるシーンが多くて痛々しい。でも、その方がリアルな感じでいいとは思いますけど。でも、なんかそのファイトシーンも暗い感じが漂う。

あと、リンチェイが兄貴分を助ける為に血を売ってしまうシーンがあるけど、その採血シーンがデカい注射器で生々しくて目眩を起こしそうになりますた。それもそのハズ、実際に血を抜いたらしい(ひぃぃぃ?!)

でもって物語は次第に復讐劇へと展開するんですが、終盤のバトルは凄い戦いで一見の価値はある。ですが、素手で戦うリンチェイを見慣れているわしとしては、あんなに武器を使いまくるのは頂けない。しかもリンチェイの衣装がすごくシリアスな雰囲気に合わない衣装でそのアンバランスさが違和感を感じますた。

結局、オチはバッドエンドではないですがハッピーエンドでもない。なんかスッキリはしなかったです。でもファイティングシーンは見応えあるし、何だかんだと文句は言いながら個人的に想像していたより悪い作品ではなかったです。

それにこの作品自体のリンチェイは凄く可愛らしくって好きです。髪の長さも程よく、珍しく上半身裸の綺麗な肉体が多く拝めるだけでも、ありがたい。しかも時々見せる笑顔がよかった。この暗い作品で時々見れる笑顔は救いですた。

監督:李連杰リー・リンチェイ

出演:李連杰リー・リンチェイ)/カート・ロナルド・ピーターソン/パウロ・H・P・トチャ/宋佳(ソン・チャ)/趙爾康(シャオ・イーオン)