HK CINEMA LABO 映画と猫。ときどき雑記帳

映画ときどき猫。音楽、パソコン、趣味

サンダー・ドラゴン/雌雄雙辣

STORY

麻薬王・パンサー(フォン・ゴン)に父を殺された女刑事・ラム(サンドラ・ン)は、パンサー逮捕に心血を注いでいた。そんなある日、麻薬中毒で情報屋のチャン(アン・ブリッジウォーター)からパンサーとセブン(シン・フイオン)という男が取引をすると聞き出したラムは、その現場に現れるがサムの行きすぎた行動が裏目に出て二人を取り逃がしてしまう。そこでサムはセブンの弟イン(チャウ・シンチー)に目をつけセブンの潜伏先を聞き出そうとするが・・・

REVIEW

日本版DVDを見ますた。

日本版のDVDジャケットを見ると、シンチーが大きく扱われていますが、シンチー自体は冒頭あたりで後ろ姿をみせたあとは、中盤までまったく出てきません。あくまで、この映画はサンドラ・ンが主役。

ストーリーはサンドラ姐さん扮する女刑事が父親を殺され、麻薬王パンサーに復讐する話なので、雰囲気自体はかなりシリアス路線。アン・ブリッジウォーターの麻薬中毒の情報屋の奇妙な関係や、上司のジェフ・ラウに陥れられたりと緊張感が続く展開。しかし、シンチーが登場すると雰囲気がちょっと明るくなり今まで続いていた緊張感が一気に解れます。でもすぐシリアスな展開になるんですけどね。

ここでもシンチーは明るい役。そんなシンチーとサンドラ姐さんの恋がほんのりと映し出されていますた。

前半のサンドラ姐の部下を演じたリン・シャオロウが可愛い顔して結構格好いいアクションが繰り広げられたり、アンブリッジ・ウォーターの麻薬中毒の演技は凄く上手い。上司を演じたジェフ・ラウなんて、もう最高にイヤなヤツ。出てくるキャラが濃いので、話の展開が面白かったです。

でも、この時代の映画はガツガツ人が死んでいくんだよね・・・ちょっとそこはキツいなぁ。

特に通行人の結婚式のシーン。穏やかな雰囲気だったのに急に流れが変わるので、そこが痛々しいというか、そこまでシビアにならんでも・・・とも思いますた。

サンドラ姐って、どちらかと言えばコメディ色の強い女優さんだけど、ここではクールな女刑事役。二丁拳銃で戦う姿とか、階段から滑り降りながら銃をぶっ放すシーンとか、この映画のサンドラ姐さんは格好いい。シンチーなんて担がれちゃっているよ・・・

そして、シンチーはカッコかわいい!何か、サンドラ姐さんとマジ喧嘩したと思えば急にキスしてきたり、何か子犬っぽくてキャラがいいんだよね?。

そう思えば、サンドラ姐を守ったりと、後半からはシンチー大活躍です。

でも、シンチーとシン・フイオンが兄弟役ってのにムリが・・・

ところで、この作品。原題は『雌雄雙辣』といいますが、これは改編版。

その前は『流氓差婆』といって、シンチーが人気が出た後、一部改編して現在のタイトルになったそうな。

『流氓差婆』自体は幻と言われていて入手はほぼムリでしょう。わしも『流氓差婆』自体は未見です。

それと、昔みた香港版VCDではバッドエンドで終わるんですが、今回見たのはハッピーエンドのほうですた。

だからか解らないが、このバージョンは最後が「でっ?」ってな感じで終わります。わし個人として星爺迷としてはバッドエンドはキツいけど、話が成立してよかったなぁと思いますた。

なので、内容としてはバッドエンドのほうがオススメです。

1989年/香港

監督:劉鎮偉(ジェフ・ラウ)

出演:呉君如(サンドラ・ン)/周星馳チャウ・シンチー)/柏安[女尼](アン・ブリッジウォーター)/成奎安(シン・フィオン)/林小樓(リン・シャオロウ)/高雄(エディ・コー)/胡楓(ウー・フォン)/方剛(フォン・ゴン)/劉鎮偉(ジェフ・ラウ)