HK CINEMA LABO 映画と猫。ときどき雑記帳

映画ときどき猫。音楽、パソコン、趣味

ドラゴン・プロジェクト/精武家庭

STORY

整体院を営むユー・シウボウ(アンソニー・ウォン)は数年前に妻を亡くし、今は長男のニッキー(スティーブン・フォン)と高校生になるナタリー(ジリアン・チョン)との3人暮らし。幼い頃から父にカンフーを教え込まれてきた兄妹だったが、元シークレット・エージェントだったと吹聴する父の武勇伝にはまるで聞く耳を持たない。ところがそんなある日、謎の男ロッコ(マイケル・ウォン)率いる闇の軍団がシウボウの整体院を襲撃、シウボウを拉致していく。やがて魔の手は兄妹にも向けられるのだったが…。

REVIEW

馮徳倫スティーブン・フォン)の監督第二弾。

面白いとはウワサで聞いていましたが、期待通りかなり面白かったです。

ストーリーはストレートで解りやすい展開。話の内容は個人的に前作の「エンター・ザ・フェニックス」のほうが好みだったりするわけだけど、でもこの作品は、アクションシーンがかなり面白いし、スゲーなぁと興奮しますた。

そしてどちらもエンターテイメント性が高い。

アンソニー・ウォンのアクションシーンも凄くいい。冒頭の白装束の忍者と戦うシーンも格好いいし、ちょっとうだつの上がらないオヤジって所もよかった。

ジリアン・チョンは『ツインズ・エフェクト』の時に比べると天と地ほど差があるぐらい、かなりアクションが上手くなっていてキレがある。

阿Saより目打つ阿嬌を初めて見た気がするよ、わし。

そのジリアンとステが兄妹喧嘩するシーンが面白い。

リモコンを取り合ったり、ダニエル・ウーと食事の時、テーブルの下で足技使ってケンカしていたり。こういうちょっとした見せ場があると楽しいなぁ。その横できょとんとしてるダニエル・ウーとか、苦笑いのアンソニー・ウォンとか表情の動きも好きだったりする。

また、アクションシーンも敵側の脇にもちゃんと要所、要所に見せ場があるので、かなり面白かった。ほぼスタント無しでやっている所とか興奮もの。

人物の設定も、ダニエル・ウーの存在とかウー・マが実は・・・って所とか、登場人物の使い方が上手いなぁと思いました。ウー・マなんて飄々とした風情でよかったなぁ。ダニエル・ウーとの追いかけっこのウー・マは何かワイヤーで吊されました感があって笑えたけど。

ワンカットだけのロー・ガーインとか見つけた時はちょっと嬉しかった。

びっくりしたのはマイケル・ウォンが悪役だった事。しかもスキンヘッドだし、今までマイケル・ウォンの「正義・刑事・いい子ちゃん」ってイメージが良い意味で払拭された感があった。あと、もっと驚いたのが、マイケル・ウォンの息子役を演じた子の棒術が「半端ねぇーーー!」ってくらい凄すぎ。どうやら彼は成龍の紹介らしいが、一体どこから見つけてきたんだろ?たぶん一番のインパクトだったかも・・・

ちゃんと主人公の父子だけじゃなく、マイケル・ウォン側の親子関係を描いている所もよかった。前作の「エンター・ザ・フェニックス」でもそうだけど、ステは様々な父子関係をきっちり押さえて、それを軸に構成するのが上手い。ちゃんとテーマがある。

だから、ストーリーは単純でアクションに偏りがちな所を「親子愛」のテーマで見せ場を作っていて、そこが飽きずに観れるポイントだった。

全体的においしいツボはがっつり押さえられていて、この作品もテンポよし、アクションよしで香港映画好きにはウケる作品だなっと思いますた。

う?ん、やっぱステってかなり期待できる監督になるかも。

2005年/香港

監督:馮徳倫

出演:黄秋生(アンソニー・ウォン)/馮徳倫スティーブン・フォン)/鍾欣桐(ジリアン・チョン)/蔡卓妍(シャーリーン・チョイ)/呉彦祖ダニエル・ウー)/王敏徳(マイケル・ウォン)/牛馬(ウー・マ)