HK CINEMA LABO 映画と猫。ときどき雑記帳

映画ときどき猫。音楽、パソコン、趣味

エンター・ザ・フェニックス/大老愛美麗

STORY

黒社会、赤義堂のボス、洪一(ユン・ピョウ)がこの世を去った。そんな悲しい知らせを持って、部下のハチ(ロー・ガーイン)とキン(チャップマン・トウ)の親子が洪一の息子ジョージ(ダニエル・ウー)を訪ねてきた。ひょんなことから、サム(イーソン・チャン)をジョージと勘違いした2人は、サムを次世代の首領として迎えようと計画。ジョージは、サムの付き添いとして香港に戻ってくることになり、彼の秘密を知るハチとキンは、ジョージを装ったサムの警護に当ることになる。ただ、当のサムは遊び好きな性格を抑えられず、彼らを困らせる。一方、黒社会と一定の距離を置きたい、本物のジョージはサムの偽装を黙認。もしかしたら、これが父に対する報復法かもしれないと考えるのだった。

REVIEW

スティーブン・フォンが初監督した映画。それ以前にニコラス・ツェーと『恋愛起義』で監督してますが、実質的な監督デビューはこの作品。

いや?かなり面白かったです!

本当に初監督としては上出来やないのー!ステ、やるね?。

話の作りも面白いし、随所に行き渡るギャグがツボを刺激しました。

冒頭のロー・ガーインとチャーリー・チャンのムリヤリなヅラで「これはイケるかも!」と思いますた。

そのハチ(ロー・ガーイン)とキン(チャップマン・トウ)の親子の掛け合いが絶妙!面白いだけじゃなくて良い親子関係が描かれていたところもポイントですた。特に「赤義堂には早撃ちが二人いた」とハチが言った後の「3人だよ」といったキンがウケた。

また、ジョージ(ダニエル・ウー)はとイーソン・チャンの組み合わせもよかったなぁ。ジョージは静かで強いゲイで、サムは陽気な女好きっていう背景が、ジョージがサム、サムがジョージと偽った時に、面白さを発揮する。また、サムがボスになれると言われた時に「男たちの挽歌」のマークを連想するところとか、結構嬉しい演出。

あと、人形の使い方とか、カレン・モクの顧客のチャンさんとか伏線の張り方が上手い。そして製作総指揮にジャッキー・チェン製作指導にシルビア・チャンといったスッタフもさることながら、カメオ出演の豪華な事。ウェイトレスにサミー・チェン、ゲイ役にサム・リー、殺し屋役にティン・カイマン、生意気なチンピラにニコラス・ツェーなど、ホント、ぽっと出なのに皆がみな楽しそうにやっているんだよね。特にニコなんて生意気だから、自慢のタトゥーにエライ事されます。○○コって、アンタ・・・

それと、星爺作品でおなじみのレイ・キンヤンが相変わらず濃いゲイ役な所も面白かったなぁ。あっでも女装してないの初めて見た気がする。

父親と息子の絆を描いている点では、ハチとキンはコミカルに描いて面白いし、ジョージには洪一の父親としての愛情がやっと理解できる演出をしている所が泣ける。面白さだけじゃなくて、ちょっと泣けるシーンがあるのもよかった。

そしてラストのバトルも面白い。チャウとジョージのバトルの動きは結構凝っているし、チャップマン・トウの「バーゲン王、ヤスイヨー、ヤスイヨー」は笑える。

この映画の出演陣・スッタフを見ると、ステって本当みんなに愛されているなぁって思います。そんな雰囲気が映画に表れている作品。とにかく、時間の経過を感じない作りになっていて、笑いもよし、テンポも良し、ちょっと泣ける演出もありで凄く楽しくバランスのいい映画。香港映画ファンは楽しめる作品だと思いますた。

そして、監督スティーブン・フォンとして次世代の香港映画界に期待が持てそうな予感がしますた。

2004/香港

監督:馮徳倫スティーヴン・フォン

出演:呉彦祖ダニエル・ウー)/陳奕迅(イーソン・チャン)/莫文蔚(カレン・モク)/杜[シ文]澤(チャップマン・トー)/羅家英(ロー・ガーイン)/スティーブン・フォン /陳恵敏(チャーリー・チェン)/元彪(ユン・ピョウ)