HK CINEMA LABO 映画と猫。ときどき雑記帳

映画ときどき猫。音楽、パソコン、趣味

爆裂都市 EXPLOSIVE CITY-/爆裂都市

STORY

香港。空港を訪れたマカオ行政庁長官が何者かに命を狙われるという事件が勃発。激しい銃撃戦の末、容疑者であるジェイド(しらたひさこ)は逃走。だが逃走中、被弾した彼女は頭を負傷したことで昏睡状態に。意識を取り戻すもこれまでの記憶を断片的に失っていた。この事件を担当することになったのは、香港警察のチョン管理官(サイモン・ヤム)と刑事ミン(アレックス・フォン)。特別合同捜査本部を設置し、エイダ警部補(クリスタル・クォック)とクワン刑事(エドウィン・シュウ)により、意識を回復した容疑者の取調べが進められる。

そんな中、ミンのもとに、ある男から連絡が入る。それは国際テロ犯罪組織を率い、部下たちから“オトウサン"と呼ばれる男(千葉真一)だった。組織は別居中のミンの妻を殺害。更に彼の最愛の息子ジョーを人質にし、ミンを彼らの指示に従わせる。

REVIEW

くたびれ感を漂わせたら右に出る者がいないアレックス・フォンと何故かいつもアヤシイ雰囲気漂うサイモン・ヤムの共演。そのうえ香港の目ヂカラVS日本の顔力、エディー・コー&サニー千葉こと千葉真一まで拝めるとあって出演者は個人的にヨダレが出るほど。

スピーディーな展開とテロVS警察という材料的にオイシイ所満載な筈なのに、なぜか腑に落ちないうえ、どっかで観たような感覚に陥ってしまう。

記憶を失ったテロリスト、息子を救うため戦う刑事、ゲームを楽しむ内通者、そしてテロの本当の狙いなど、キャラ的にもストーリー的にもたぶんいろいろと詰め込みすぎたんでしょうねぇ・・・

中盤までに内通者が解ってしまってもそこはキャラクターがオイシイのでいいです。そして“オトウサン”ことサニー千葉の日本語とその他大勢の広東語が何故通じる?っということを差し引いたとしても全体的に無理矢理な感じが否めない。

またテロリストのジェイド(しらたひさこ)が記憶を無くして、罠にはまったミン(アレックス・フォン)と逃亡しながら、テロを追っていくんだけど妙にこう都合良く記憶が戻るんですよねぇ。その記憶の蘇りかたが単純で雑。第一、子供の頃からテロとして教育された人間がこう簡単に“オトウサン”を敵に回せるものなのか?

そして悲しみ漂わすミンとジェイドの温度差に違和感が・・・

テロが記憶を無くすといえばダニエル・ウーの『パープル・ストーム』ってのがあったけど、その映画は主人公のテロリストが記憶が蘇えったあと、そこに主人公の葛藤が描かれて心打たれるものがあった。この映画もそういう内面が描かれれば説得力が出て凄く面白く観られたのに・・・と思ってしまう。展開が面白いだけに残念だ。

まぁミンがジェイドに妻とケンカして後悔していると話す場面や、マカオで爆破事件がおきた後の長官がマカオへ向かう決断をしたときはグッときましたけど。

あと、ラストに向かっていく展開が早い。早いのは別に構わないけど、中途半端ではしょりました?って感じなんだよね?。サイモン・ヤムのラストがアッサリしすぎじゃい!って、なりますた。

まぁ真面目な内容の割にはツッコミ所満載で不満が残る事も多々ありましたが、出演陣はお気に入りな方々だし、急に林雪さんがオイシイ演出で登場するのも嬉しいのも確か。わし個人ではそう悪くはないと思った作品ですた。

2004/香港

監督:梁徳森(サム・レオン)

製作:松下順一 

出演:任達華(サイモン・ヤム)/方中信(アレックス・フォン)/ 千葉真一サニー千葉)/しらたひさこ/蕭正楠(エドウィン・シュウ)/彭敬慈(サミュエル・パン)/高雄(エディ・コー)/林雪(ラム・シュー)