HK CINEMA LABO 映画と猫。ときどき雑記帳

映画ときどき猫。音楽、パソコン、趣味

ヤングマスター/師弟出馬

STORY

捨て子だったタイガー(ウェイ・パイ)とチェン(ジャッキー・チェン)は正風道場のカン先生(ティエン・ファン)に拾われ、功夫を学びつつ今やりっぱな若者に成長していた。そんなある日、カン先生のかねてからの厳しい修行に嫌気がさしていたタイガーが、恒例の和威道場との獅子舞い合戦で、金につられて敵の黒獅子を演じたのが先生にばれてしまった事から、ついに彼は道場を追い出されてしまう。帰るに帰れないタイガーは、大悪党のキム一味の用心棒となる。そんな彼を心配したチェンは、彼を連れ戻しに向かうのだが……。

REVIEW

何故かわし細佬(弟)と成龍映画の話で盛り上がり。ってなわけで今回はジャッキー映画『師弟出馬』のご紹介。

この頃のジャッキーは仕事の面で結構ゴタゴタが起こっていて、しかもこれがジャッキーの功夫映画としては最後の作品と言っていたと記憶している。ジャッキーはこの作品で監督・脚本も務めていますが、カンフーを取り入れながらもコミカルなシーンもアリみたいな要素も含まれている。今思えば、この映画が後のジャッキー映画の形へと変わっていく基本みたいなものなんだと思えて感慨深いもんがありますた。

個人的に初期のジャッキー作品の中で一番に好きかもしれない。

ストーリーはジャッキー作品にありがちな、あってないような展開なんですけど、最初から最後まで功夫アクションが素晴らしく目を見張るものがあります。

冒頭の獅子舞から始まり、扇子、棒、イス、キセル、スカートと小道具をふんだんに使ったアイディアの数々。そこだけでもう見所がたくさんで興奮もん。

特に扇子とキセルの動きは流線型を綺麗に描いていて達者な動きに感動しますた。

またボス、キム演じたウォン・インシクのアクションが凄いの!登場シーンから結構なキレを見せてくれます。さすが合気道とテコンドーをやっていただけあって足技がホントすごい。この人もう引退してしまったんだけど、復活してくれなかな?なんて願ってしまう。

そして、出番は少なかったけどユン・ピョウも出演していてジャッキーとユン・ピョウの長いすVS棒の対決も凄く興奮しますた。

ユン・ピョウの父親を演じたシー・キエンと沼にはまるシーンや、キセルを使った駆け引きも結構面白い。コミカルな面もしっかりと描いているところもよかったです。

そして最後、約20分間にわたるボス、キム(ウォン・インシク)との激闘がかなり素晴らしい。今までは小道具とか使っていたけど、このシーンはまさに素手VS素手。だから一見シンプルな戦いだけど、とにかく間接技あり足技ありのまさに大激闘で、ジャッキー演じるチェンはキムに叩きのめされてもゾンビのように起きあがっては戦い続けます。このシーンは文章で説明できないなぁ。それくらい凄いシーン。またその激闘の中、ジャッキーの応援をしている和威道場の師匠がコミカルで面白い。「つーかアンタも悪いヤツなんだけど?」って思いながらも何故か憎めない。

まぁラストなんで水タバコでこんなに強くなるんだ?ってツッコミ所もありますが、ちょっとしたベタな笑いと休むヒマのない展開、小道具を使ったアイディアの数々、そしてラストの大激闘。功夫映画の面白さをふんだんに取り入れた映画だと思います。

1980/香港

監督:成龍ジャッキー・チェン

出演:成龍ジャッキー・チェン)/韋白(ウェイ・パイ)/石堅(シー・キエン)/元彪(ユン・ピョウ)/黄仁植 (ウォン・インシク)/田豊(ティエン・ファン)