HK CINEMA LABO 映画と猫。ときどき雑記帳

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デッドポイント 黒社会捜査線/非常突然

STORY

香港のある宝石店が襲撃された。犯人は中国大陸からやって来たシロウト集団だったが、その逃走中に重火器で武装した別のグループと遭遇したことで、街の状況が悪化していく。香港警察の特捜班は、彼らと激しい銃撃戦を展開するが取り逃がしてしまい、犠牲者が増えていくのだった。圧倒的な凶暴さで犯行を繰り返す犯人たちに対し、それぞれの想いを胸に最終決戦に挑む特捜班メンバー。非情にも運命の時刻はそこまで迫っていた。

REVIEW

最初に言っときます。見終わった後、スッキリなんてしません。悶々となります。

呆然となってしまうような・・・何といいましょうか、「油断大敵」「一寸先は闇」という感覚に陥りますた。でも、目が離せない展開。

2つの犯行グループを追う重案組の姿を描いていますが、犯行グループVS重案組という構図を描きながらも、その展開の中で見られる重案組の面々が見せる人間模様が際立って、物語を面白くさせていますた。

サム(ラウ・チンワン)とケン(サイモン・ヤム)、二人の対照的な性格やそれに絡むMandy(ヨーヨー・モン)の恋愛感情とか、Macy(ルビー・ウォン)が好きな人は実は・・・って所とかコミカルで面白い展開だったし、ベン(ホイ・シウホン)が40過ぎて子供が出来てしまったうえに愛人が癌に冒されてどうしていいのか迷っている所とか、ジミー(レイモンド・ウォン)が女ったらしな所とか、そういった性格や感情が浮き彫りにされていて人間臭くて飽きがこない。

また逃亡中の犯人側の動きを警察の情報だけが淡々と伝えていたので、追われる側が非情になっていく怖さをラストで浮き彫りに映しだしていたし、所々コミカルな展開を見せていた重案組が一安心した所に急激に凄い温度差で非情な状況へ変わっていく、しかも銃撃戦も押さえ気味なところが却って妙なリアリティを感じてしまう。

原題通り、衝撃の“非常突然”。

でも物語の展開は一筋縄ではいかない所に面白さを感じる一本ですた。

1998年/香港

監督:游達志(パトリック・ヤウ)

製作:杜?峰(ジョニー・トー

出演:劉青雲ラウ・チンワン)/任達華(サイモン・ヤム)/蒙嘉慧(ヨーヨー・モン)/黄浩然 (レイモンド・ウォン)/黄卓玲(ルビー・ウォン)/林雪(ラム・シュー)/許紹雄(ホイ・シウホン)/