SPIRIT スピリット/霍元甲
STORY
病弱な少年フォ(ジャット・リー)は強さを求め『武』の世界に憧れを持つ。
フォの父は優れた武術家だったが、息子に同じ道を歩む事を嫌い稽古をつけることを拒む。それがかえってフォの好奇心を煽りやがて成長し格闘家として天津に名を馳せるまで成長する。しかし名声が高まるにつれうぬぼれが強くなる。
その傲慢さ故に恨みを買ってしまったフォは最愛の母と娘を失ってしまう。
失意のどん底に落ち彷徨い続けたフォはスンおばあさんと盲目の娘ユエツー(スン・リー)が暮らす山村へたどり着く。
REVIEW
実在した人物、霍元甲の姿を描いた作品。
さすが、リンチェイですわ!っと思えるほどアクションが素晴らしかったです。アクションだけを見せる作品ではなく、本当の「強さ」とは何かというテーマもあり『精神論』もきっちり描かれていて従来のリンチェイ作品とは一味違う内容でした。
傲慢だった主人公が失意のうちに山村で穏やかに暮らし、悟りを経て武術家として蘇るというパターンといっちゃあパターンですが、ストーリーに動と静のメリハリが利いていて解りやすかったです。
話が進んでいくうちに主人公フォの目つきや表情が変化していくのが説得力がありますた。
ただ、後半はドタバタしすぎっちゅーくらいアクションの連続で見せ場はあるんだけど、もう少し丁寧に描いてくれたらな?という感じも否めなかったです。
103分ではどうしても荒削りな感じがしますた。ノーカット版で観るとまた違った視点で観れると思うし、カットしないほうが見ごたえがあるかも知れません。
それでもラストはグッと来るし、人間の尊厳や強さとかリンチェイが伝えたかった精神が伝わるような作品ですた。
この作品の主題歌『霍元甲』の事で話題になりましたねー。
私は香港と日本の映画館で観て、再びDVDで観ましたが、映画の主題歌って大事だなと思いますた。私は映画を観終わった後、その余韻をエンディングで浸るタイプだし、特に主題歌『霍元甲』はいい楽曲なので(いやジェイの曲っていいのよ、マジで)日本公開の時は残念ですた。主題歌のために映画を観るわけじゃないけど、主題歌も映画の演出の一つだとつくづく思いますた。
2006年/香港・アメリカ
監督:干仁泰(ロニー・ユー)