HK CINEMA LABO 映画と猫。ときどき雑記帳

映画ときどき猫。音楽、パソコン、趣味

ブラッディ・レイン/黒白戦場

STORY

黒社会の大ボス、ドラゴン(エリック・ツァン)は命が狙われていると噂があるとミ巡査部長(雪林)から警告される。そのことでドラゴンは3人の傘下のボスたちの前で引退をほのめかし、自身の牛耳る金の半分を養子のピーター(陳鍵鋒)に譲ると宣言。そのことで意見が対立する。

また、ドラゴンは忠実な手下チャイ(リウ・カイチー)が自身の護衛用に長年密かに仕込ませていた秘密の部隊を動員。そのリーダーのファット(ショーン・ユー)は仲間たちとドラゴンのボディガードに徹する。だが、次々と仲間、手下達が殺されていく・・・

REVIEW

もう邦題については何も語るまい・・・。っで原題は『黒白戦場』。

そう『黒白森林』の王晶の監督作品です。

『黒白森林』は警察側に軸を置いていましたが、『黒白戦場』は黒社会を軸に描かれています。でもこれ、個人的には不満の残る作品ですた。

話の作りはけっこう上手く出来ているんだけど、そのわりに黒幕は早くわかってしまうし・・・。ようするに大雑把なのよ。はしょり過ぎというか・・・

もうちょっとドラゴンとファットの関係を絡めて描いてくれたら面白い人間ドラマだったのになぁと思ってしまった。

俳優陣がイイ味もっているので、余計にもったいなく感じてしまう。

特にオッサン連中(エリック・ツァン、ラム・シュー、リウ・カイチー)が雰囲気があったので・・・

ショーンはもちろんストーリーの中心的人物ですが、ショーンの描き方が弱いのよ。しかもこれショーンが主役っていうよりエリック・ツァンが主役です。

そのエリック演じるドラゴンの人物設定は面白かった。

もちろん黒社会のボスだから他人にはスキをみせないんだけど、自分を信じているチャイや愛人のシャンには常に優しい男をかもし出していますた。そこはよかったです。

でも、やっぱストーリーは破綻ぎみ。ドラゴンと養子のピーターの関係も曖昧だし、ラストのオチも「なぜこうなる?」といった展開ですた。

まぁ「なんで、こうなるの?」っていうのは、きっと主役のドラゴンなんですけど・・・

結局、黒社会の掟って恐いのねっていう本末転倒なオチですた。

まぁでも、個人的に久々にロイの筋肉が見れたし、ショーンも見れたしヨシとしよう。エリック・チャンに「よっ!西郷どん、元気?」ってな感じにもなれたし、まぁ悪くはない作品です。

ところで、ファットの彼女サウ・リン役のエマ・ウォンが一青窈にしか見えないのはわしだけ?

2004年/香港

監督:王晶バリー・ウォン

出演:曾志偉(エリック・ツァン)/余文樂(ショーン・ユ)/關秀媚(スーキー・クワン)/張耀揚(ロイ・チョン)/雪林(ラム・シュー)/黄伊[シ文](エマ・ウォン)/陳鍵鋒(サミュエル・チャン)/廖啓智(リウ・カイチー)