HK CINEMA LABO 映画と猫。ときどき雑記帳

映画ときどき猫。音楽、パソコン、趣味

キラーウルフ 白髪魔女伝/白髪魔女傳

STORY

明朝末期、時は明と清が対立する乱世に揺れていた。中原八門の武当派に属するヤッホンは孤児として拾われるが、盟主から武術を習得し成長する。ある日、明兵に襲われた村人の前に白装束の女が現れ明兵を撃退。その場に居あわせたヤッホンは立ち去る彼女を追う。女の正体は、かつて謀反を興したため身体をひとつにされ恨みを持つ八門に敵対する邪教集団の長、シャム双生児呉鎮宇と呂少玲)が育てた殺し屋で、また幼少の頃、道に迷い狼に襲われそうになったヤッホンを助けた少女だった。八門とシャム双生児の対立が激化するなか、ヤッホンと女は敵として再会するが・・・

REVIEW

17世紀の動乱を舞台を中心に白髪化した魔女と魔女を愛した男の物語。内容自体は解りやすい話でなんだけど、でも芸術的で美しい悲恋です。

永遠の愛を誓いながらも、周りの策略にはまり女を信じてしまわなかったばかりに後悔を残す男と、その男に裏切られたと思い白髪魔女になってしまう女。内容はただそんだけの話なのに正直いつ観ても美しいと思う。それだけ林﨧霞/ブリジット・リンと張國榮/レスリー・チャンが美しすぎた。林﨧霞を見初めて、張國榮に惚れてしまう。オソロシイ作品だ。

序盤を観るとオチが解るはずなのに息つくヒマがない構成が目に焼き付いて、レスリーとブリジット・リンのラブシーンもただのエロじゃない色気が漂って衣裳を担当したワダ・エミもきっとご満悦だったんじゃないかと思う。一見、ファンタジックな世界。残酷にかつ美しく表現できる世界があったのかと実感させる映像美があった。

そして主役の2人とは対照的なエレイン・ルイとン・ジャンユーがこの作品を色濃く反映していて、残虐だけど悲しい悪を演じていて納得できる演出。また他の出演陣もちゃんと主人公2人とストーリーにそって設定されているのが魅力。アクション設計も郭振峰(フィリップ・コク)が担当していて曲線美が素晴らしい仕上がり。

そして有り難いことに呉鎮宇さまを初めて知った最初の作品。(怖いメイクで、どギヅイ役だけどね・・・)

個人的に、ラブストーリーやファンタジーは好きじゃないのに見惚れてしまうんだよなぁコレ。

わし的には極上のファンタジスタな一本。でも邦題の『キラーウルフ』ってだけは頂けない・・・

1993年/香港

監督- 干仁泰(ロニー・ユー) 

出演-張國榮レスリー・チャン)/林﨧霞(ブリジット・リン)/呉鎮宇(ン・ジャンユー)/呂少玲(エレイン・ルイ)/藍傑英(ナム・キットイン)/高雄(エディ・コー)