HK CINEMA LABO 映画と猫。ときどき雑記帳

映画ときどき猫。音楽、パソコン、趣味

ハードボイルド 新・男たちの挽歌/辣手神探

STORY

ユン警部補(チョウ・ユンファ)=通称テキーラは、強引なやり方から拳銃取り引きの現場で乱闘となり、相棒のア・ロン(ボウイ・ラム)を殺されてしまう。上司のチャン警視(フィリップ・チャン)が密かに秘密捜査官として送り込んだ部下も命を落としてしまう。数日後、図書館でひとりの男が殺された。武器輸出を扱うマフィアのボス、ホイの右腕であるトニー(トニー・レオン)の仕事だったが、彼はその腕前ゆえ対立組織のボス、ジョニー(ウォン・チョウサン)からも誘いがかかる。ジョニーはホイの武器庫を襲撃し、トニーはホイを裏切って彼を殺した。その銃撃戦の現場に駆けつけたユンはトニーと激しく撃ち合うが、最後のところで何故かトニーはユンを殺さなかった。トニーは実はチャンに送り込まれた裏刑事であり、より大きなジョニーの組織を壊滅するのが目的だった

REVIEW

ガン・アクションが派手な演出で印象的。

「アンタ、いくらなんでも…」ってくらい、思いっきり一般人も殺されるし死人が多い。特に病院での銃撃戦は観る人によってはキツイでしょう。観ていて疲れるほど。

でもガン・アクションは格好良く出来上がっています。カメラワークもジョン・ウーならではで、チョウ・ユンファの2丁拳銃もかなり興奮モノ。これだけのガンアクションが最後まで持続できるテンションの高さに驚いてしまう

ん、でも、ジョン・ウー先生、いくらこの作品が香港で最後になるからってムチャしすぎ。ちなみにテキーラ行きつけのマスター役でしっかり出ております。セリフも多いです。

トニー・レオンが孤独な潜入捜査官をきっちりこなしていて、本当は刑事として孤独にシンジケートにおびえている姿も、殺した相手に対して一つずつ鶴を折っている焦燥感も凄く伝わっていました。チョウ・ユンファにも引けを取らない演技でこのトニーは本当に素晴らしい。特にホンを射殺するシーンの表情は何とも言えず、やり場のない感情を上手く出していた。

また、アンソニーウォンが演じたジョニーの手下で殺し屋を演じたフィリップ・コクのアクションも凄かった。敵役ながら天晴れです。アンソニー・ウォンはこれまた非情な男を怪演。フィリップ・コクの演じた殺し屋の情やプライドをズタズタにしてくれます。アンタ悪魔や!とツッコむでしょう。

ちなみに日本人俳優の國村隼さんも出ております。セリフはありませんし出演時間も短いですがきっちり仕事していて、結構印象強い。

全体的に息つく暇もない、銃撃戦の数々、その中にさりげなく描かれる友情に美学を感じる。

ラストは演出がなかなか良くできていて、トニーの悲しい運命が最後のカットで救われた気がした作品だった

1992/香港

監督- 呉宇森ジョン・ウー

脚本-黄炳耀(バリー・ウォン

出演-周潤發(チョウ・ユンファ)/梁朝偉トニー・レオン)/毛舜[竹/均](テレサ・モウ)/陳欣健(フィリップ・チャン)/郭振鋒(フィリップ・コク)/菫[王韋](トン・ワイ)/關海山(クワン・ホンワイ)/呉宇森ジョン・ウー