HK CINEMA LABO 映画と猫。ときどき雑記帳

映画ときどき猫。音楽、パソコン、趣味

女人、四十。/女人、四十。

STORY

香港の典型的な家族ソン一家を切り盛りするメイは、愛する夫と一人息子に囲まれながら妻として母として、そして貿易会社の部長として明るく働く40代の女性。別世帯に住む、気難しくなにかとメイに辛くあたる夫の父リンとは、最近益々ソリが合わない。そんな中、その父とは対照的だった心優しい夫の母が急死してしまい、リンはその直後からおかしな言動をとる様になるが……。

REVIEW

母であり、キャリアウーマンの主人公が、アルツハイマーとなった舅との交流を描いた作品。’95ベルリン国際映画祭・主演女優賞受賞’95台湾金馬奨、グランプリ 主演女優賞、助演男優賞、作品賞、観客投票最優秀作品賞受賞。’96 香港電影金像奨、作品賞、監督賞、脚本賞、主演男優賞、主演女優賞、助演男優賞受賞

何の先入観も期待もしなっかたんですが見て正解でした。いい意味で「やられたー!」と感じた。これからもっと、日本で抱えていく問題を目の当たりにするようなテーマのある物語。

アルツハイマーという重いテーマをユーモアたっぷりに描いています。例えば舅リンが奇行を繰り返し、空軍兵士の頃に戻って傘をパラシュートと思い屋上から堕ちたりする。家族はてんやわんやで救いようもないのだが、なんでそこで笑いが起きるんだろうと思うほど、笑えない現実の中に笑いが潜むという演出が心を打ちますた。

また主人公メイのたくましさが光っていて、夫ビンとの会話が絶妙でおもしろい。全体的に女性監督らしい描写で描かれていました。

一人一人のキャラがしっかりしていて引き込まれました。90年代の香港映画界で華のある俳優を使ったわけではない。だけど、これだけの賞を取ったのは内容はもちろん、ベテランの素晴らしき演技力の賜物でしょうと感じる納得の一本。

1995/香港

監督- 許鞍華(アン・ホイ)

出演-ジョセフィーン・シャオ/ロイ・チャオ/ロー・ガーイン