HK CINEMA LABO 映画と猫。ときどき雑記帳

映画ときどき猫。音楽、パソコン、趣味

わすれな草 半支煙


STORY
ブラジルに単身移住していたヒョウ(エリック・ツァン)は香港へ舞い戻る。
変わり果てた香港で途方に暮れていたヒョウはそこでジゴロのスモーキー(ニコラス・ツェー)と出会う。ヒョウはスモーキーに札束をちらつかせ九龍という男の殺しの仕事を持ちかける。
九龍に対してヒョウは30年前ヒョウの女を奪い組織の金を奪った悪党だと、そしてかつて九龍によって凶弾に倒れ30年ブラジルに行くハメになったとスモーキーに語る。
だがヒョウの本当の目的は30年前一本のタバコをくれた女アナン(スー・チー)を探すのが目的だった。

REVIEW
忘れられない女を捜すため香港に戻った男と、彼と出会ったジゴロの青年との交流を描いた作品。

なかなかジーンとくるストーリー。エリック・ツァンが泣かせてくれるんだよなぁ。
エリック・ツァンが純愛を貫いている姿勢が何とも言えなかった。
ツッコんで言えば今のヒョウがエリック・ツァンで何故若い頃のヒョウがスティーブン・フォン?というギャップに一瞬悩みましたが(その謎は観ていくうちに後にわかります)

そしてニコラス・ツェーがあらゆる表情を見せてくれて、こんないろんな表情ができるんだ!と感心。
父親を知らないスモーキーがヒョウに父の面影を感じてしまうところや、憧れている婦人警官(ケリー・チャン)に対する想いが切なくてよかったです


記憶のあるうちにアナンを忘れないように必死になるヒョウの姿が愛おしく感じた。だから一発だけ残した銃弾の意味が重く、また切ない。

そしてタバコの使い方が上手い演出で煙のように、儚い想いをシンクロさせているのがイイ。
挿入歌のテレサ・テンの「時の流れに身をまかせ」がうまく使われていて涙を誘う。
ラスト、ヒョウと共に過ごすスモーキーとアナンの名前を書き続けるヒョウの姿に一筋の光が差すようだった。

作品名:半支煙(わすれな草)
監督:葉錦鴻(イップ・カムハン)
出演者:曾志偉(エリック・ツァン) / 謝霆鋒ニコラス・ツェー) / 舒淇スー・チー)/馮?倫(スティーブン・フォン)/ 李燦森サム・リー) / 陳慧琳(ケリー・チャン