HK CINEMA LABO 映画と猫。ときどき雑記帳

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トリプル・タップ 槍王之王

トリプル・タップ01

(ルイス・クー/クワン役)

 

STORY

 

実践射撃競技の大会で優勝した投資会社マネージャーのクワンは、会場からの帰り道、高速道路で4億ドルの債券を運ぶ輸送車が強盗団に襲われる現場に遭遇する。駆けつけた警官が撃たれてしまい、クワンは咄嗟の判断で競技用の銃を使い犯人を射殺。世間はクワンを英雄視し、裁判でも無罪となるが、事件を担当するチョン警部はクワンに対してある疑問を抱き……。

 

イー・トンシン監督「トリプル・タップ」鑑賞。2002年製作、レスリー・チャン、アレックス・フォン出演の「ダブル・タップ」の続編。

ちなみにトリプル・タップとは同じ位置に連射した3弾の弾を命中させる、高度なテクニック。

 

 

10年ぶりの続編で主演はルイス・クーとダニエル・ウー

なんつー濃い男前二人の共演だとか楽しみにしつつ、続編と言う事もあり期待は高まる。

実際鑑賞すると続編の印象は無いんだけど。

 

トリプル・タップ02

ダニエル・ウー/チョン警部役)

 

 

優秀かつエリートのクワン(ルイス・クー)とこれまた優秀な警官チョンの心理的やりとりや、徐々に明らかになってく真実。

 

クワンの一見、正義感とさえ思われる行動の裏は狡猾でスキのない悪の部分が見え隠れする。それを疑問に思いつつ、保釈しつつもクワンを監視するチョン警部。

 

強奪事件で現場で撃たれた警官が意識が徐々に取り戻しつつあって、焦りがクワンに見え始めた時に綻びが生じたあたりは面白い。

 

サスペンスものとしては見応えある内容に。ただ、やっぱり前作「ダブル・タップ」には及ばないのが残念に思う。

 

「ダブル・タップ」で初めて人を撃ったことからサイコキラーになってしまったリック(レスリー・チャン)の狂気、苦悩、これが物語の深みとなって面白さが倍増だったけど、今回の犯人であるクワンの裏側にある人物像があまり伝わらないというか。。。ただ頭のいい自分勝手な殺人者にしか見えない。そういう設定ですよと言われればそれまでだけど、どうしてもその辺を前作と比べてしまう。

 

後、2人のヒロインの扱いがぞんざい。クワンの恋人で看護師のシャーリーン・チョイ、ファンド会社の女上司のリー・ビンビン。クワンに絡む2人のヒロインの存在を出したわりに物語に必要性があまり感じられないのがなー。

 

前作は主人公たちに絡む対照的な二人の女性の存在も大きかっただけに、勿体ない印象が残る。

 

でも前作で主人公だったミウ警部(アレックス・フォン)が出たのは嬉しい誤算。ミウはあれから、第一線を退いて港町でのほほんと釣りとかしながら警官やっているんだけど、後輩であるチョンに指摘をするなど昔と変わらない鋭さはもっていて、でも未だにリックの事件を抱えているような悲壮感が漂っていた。

 

 

内容的にはこの「トリプル・タップ」だけでも十分に理解できるできるけど、「ダブル・タップ」も鑑賞すると楽しめるかと思う。

 

「ダブルタップ」の片鱗が残っているのは、前作を観た人ならテンションあがる。

個人的にはアレックス・フォンが演じるミウ警部の存在が良かったねー。

ミウを観てると色んな感情が交差してしまう。

 

ミウのその後が観れたってのは、わし的には大収穫で、だからこの映画を楽しめたって感覚かなー。物語自体も前作を知っているから厳しめのレビューですが、普通に見応えある映画だと思います、ハイ。

 

 

 

 

公開日 2013/1/12

原題 鎗王之王 Triple Tap

監督:イー・トンシン

キャスト:ダニエル・ウー、ルイス・クー、シャーリーン・チョイ、チャップマン・トウ、アレックス・フォン