HK CINEMA LABO 映画と猫。ときどき雑記帳

映画ときどき猫。音楽、パソコン、趣味

言えない秘密

不能説的・秘密

STORY

淡江音楽学校に転校してきた湘倫/シャンルン(ジェイ・チョウ)は、旧校舎のピアノ室で神秘的で美しい曲を弾く小雨/シャオユー(グイ・ルンメイ)と出会う。 曲名を訪ねても「誰にも“言えない秘密”よ」とミステリアスにささやく彼女に惹かれ、心を通わせていく。 病気で休みがちな彼女と少しでも一緒にいたいと願うが、彼女にはどうしても彼に“言えない秘密”があった…。

REVIEW

そういや、この映画もレビューが未だだったなぁと思い、今回改めてDVD(台湾版)で再鑑賞しますた。

この映画はね、基本ジェイとジェイファンの為にある映画じゃないかなぁということでタカをくくっていたんですが、ジェイはこの作品で初監督ながら、なかなかの出来ではないでしょうか。

いやね、前半迄は良い意味でも悪い意味でもジェイの好きそうなロマンティック路線丸出しだなぁという印象ですた。

前半はもう、まさに少女漫画の世界(笑)ふたりでピアノを弾いている所もキスシーンもこっぱずかしいくらい。

転校した学校で湘倫(ジェイ)はピアノの音に惹かれそのピアノを弾いていた小雨(グイ・ルンメイ)と出会うわけです。それから二人はいい仲になっていくんですけど、もう何つーか・・・観ているこっちが甘酸っぱいんですよねぇ。汚れた大人になったわしには眩しいくらいですた。

んで、甘酸っぱい雰囲気のまま物語は進行するのかなと思わせつつ、甘酸っぱい空気は薄れ、ファンタジー?、ホラー?のようなミステリアス色が強い展開になっていくわけです。

この映画の何が気に入ったかというと、実はその前半の甘酸っぱい展開でもなく、かといって後半のミステリアスな展開でもオチでもないわけです。

初鑑賞したときに悲しい事に中盤くらいでオチは読めてしまったんですよね・・・

オチに関していえば、きっと結末は見る人の判断に任せるような結末。でも現実的な事を考えてしまうと、残された家族の気持ちは置いてきぼりかい?と思えてしまう。まぁ、ちょっと腑におちないのも正直な感想ではあります。

個人的に淡水の学校の美しさや二人で歩く道のりとか、それが物語の切ない雰囲気に混ざり合う感覚がただただ良いなぁと感じますた。

要は雰囲気でこの映画を好きになったって感覚です。

特に自転車を二人乗りで帰る道で現れる風車の風景はかなり気に入りますた。

 

そして、やっぱりバックで流れる音楽ですかねぇ。大事な場面に合うように流れる挿入曲が映画を盛り上げた要素でもあるし、これこそミュージシャンとしてのジェイらしいと思える部分ですた。

また、ピアノ演奏が見所のひとつですね。実際に弾いているピアノバトルは、迫力がありますた。

あとキャスティングと人物設定が良かったのも気に入った要素です。

湘倫に片思いしている晴衣の存在。晴衣の存在は湘倫と小雨の間に誤解を招く存在だけど、晴衣の湘倫に対する片思いも切なく伝わってくるんだよねぇ・・・・・

湘倫の父親を演じた秋生さんもコミカルな雰囲気で湘倫との良い関係を築いた構成が好きでしたし、この父親の存在が後半に湘倫と小雨を繋ぐキーパーソンとしての役割を担ったいたのが良かったです。

そして、キャスティングで一番正解だと思ったのは小雨を演じたグイ・ルンメイでしょうね、やっぱ。

彼女自身が持つ透明感や雰囲気が小雨という女の子に凄く合っていて、純粋に映りますた。

まぁでも、個人的にジェイファンなので全体的に評価は甘い気がします。

基本的に粗さがあるのは否めない。物語の伏線の貼り方も少し甘い気もしますた。

個人的には湘倫が机に修正液でメッセージを送る場面がピークだったので、結末も腑に落ちないところもあります。

でも、初監督でよくここまで完成させたなぁという構成や内容だし、色んな場面が細かく印象が残っていて、メリハリもありますた。

ラブストーリーの中に様々な要素をバランスよく詰め込んだ良作な映画だと思いますた。

2007年

監督・脚本・音楽:周杰倫ジェイ・チョウ

出演:周杰倫ジェイ・チョウ)/ 桂綸鎂(グイ・ルンメイ)/ 曹緒ヒ玹(アリス・ツォン)/ 黄秋生(アンソニー・ウォン