HK CINEMA LABO 映画と猫。ときどき雑記帳

映画ときどき猫。音楽、パソコン、趣味

プリンセスD/想飛

想飛

STORY

コンピュータ会社のディレクター、ジョーカー(ダニエル)が出会った女性バーテンダーのリン(アンジェリカ)は、痴呆気味の母とプータローの弟をかかえ、服役中の父が作った借金返済に明け暮れていた。ジョーカーは弟キッド(エディソン)の助けを得て、リンをモデルにしたサイバーアイドル・プリンセスDを制作して売り出そうとするが…。

REVIEW

「プリンセスD」って子供向けのアニメのタイトルのようで個人的に食指が動かなかったんですが、いざ鑑賞すると思ってた以上に面白かったです。

シルビア・チャンが描く世界は観ているほうも女心をくすぐるような何処か切なくて爽やかな所がいい。気持ちが癒される気がする。人物の描き方が上手いなぁって感じる。

最初はゲームプログラマーであるジョーカーのサクセスストーリーかな?と思ってましたが、甘酸っぱいラブストーリーですた。キャストもダニエル・ウー、エディソン・チャン、アンジェリカ・リーとなかなか爽やかな顔ぶれ。物語も何だか、青春だなぁって感じでよかったです。

あと特別大きな変化があるストーリーではないけれど、人物背景がちゃんと描かれていて、家族のテーマが見え隠れしている所もよかった。

それにしても、アンジェリカ・リーやっぱ良いわー。

気の強い部分も弱い部分もリンという女の子のパーソナリティをうまく演じていて、感情移入しやすい。

そんなリンにジョーカーが惹かれていくんだけど、そこが甘酸っぱい感じで若さを感じてしまう。

リン(アンジェリカ・リー)の背景が少し切なくていいんだよね。

父親は刑務所暮らしで、母親は精神的にちょっとおかしくなっていて、弟は心配ばかりかけるような青年で、そんな家族を一生懸命支えていて。

リンの持っている気の強さは優しさと弱さの裏返しでそこが切なくなっちゃうんだよなぁ・・・

ジョーカー(ダニエル・ウー)はやんちゃな弟キッド(エディソン・チャン)と父親(アンソニー・ウォン)と男やもめの暮らしだけど、幸せそうで真っ直ぐに育っているよなキャラ。

ジョーカーの家族、リンの家族の姿に温度差を感じてしまう所がいい。

リンがジョーカーの父と楽しそうにダンスをしているシーンはリンの背景があるから、何気ない場面なのに楽しさも切なさも伝わってくるようだったし、あと、ジョーカーとリンが二人で自転車に乗って街を楽しそうに走るシーンとか印象的。ちょっと切なくて個人的には凄く好きな展開ですた。

ラストは余韻を感じつつも未来を感じる。あの観覧車と何処までも続きそうな草原。あのラストがこの映画の良さを実感できる良い演出で、見終わったあと、爽快感を感じますた。

・・・にしても、

秋生さんはこの頃くらいから、渋くてオイシイ役どころが増えたなぁ・・・この映画でも社交ダンス教室の先生って役だけど、そのダンスレッスンのシーンとか素敵に見える。しかも、いい父親って感じがこれまたオイシイ。

ん、でも、個人的には猟奇的だったイケイケの秋生さんも見たいって思う今日この頃です。ハイ。

2002年/香港

監督:張艾嘉(シルヴィア・チャン)

出演:呉彦祖ダニエル・ウー)/李心潔(アンジェリカ・リー)/陳冠希(エディソン・チャン)/夏文汐(ハ・マンギッ)/黄秋生(アンソニー・ウォン