PTU/PTU
STORY
尖沙咀、2000年9月14日深夜。
PTUとはPolice Tactical Unit=香港警察特殊機動部隊の略称。その任務は、夜の繁華街をパトロールし、街の平和と安全を守ること。この日も隊員たちはホー隊長指揮の下、警邏にあたる。一方、組織犯罪課のサァ刑事は街のチンピラともめ事を起こした際、拳銃を紛失してしまう。そのことを知ったホー隊長は、サァ刑事の窮地を救うため、一緒に拳銃を探してやろうと申し出る。その頃、チンピラ・グループのリーダー、マーが敵対勢力に殺されてしまう。マーがマフィアのボスの息子だったことから特捜課CIDのチョン刑事が捜査に乗り出す。やがて、チョン刑事はサァ刑事に不審を抱く。そして、息子を殺されたマフィアのボスもまた、復讐に向け行動を開始する…。
REVIEW
観終わった第一印象はジョニー・トーの世界丸出しだなぁと感じますた。
スタイリッシュと謳われていたが泥臭くて見事わし好み。でも好き嫌いがハッキリ分かれるだろうなぁ・・・
冒頭のラム・シューのバナナでズッコケやギャングのマーが刺されても元気すぎるところは「コント?」と思ったりもしたが、サイモン・ヤム兄貴のビンタ攻撃やマーおやじのマーの手下たちに対する拷問のシーンは観る者に怖さを感じさせる演出。
淡々とではあるがシーン一つ一つのギャップがストーリーに強弱をつけていて飽きのこない展開だった。
PTU、犯罪組織課のサァ、CID、それぞれの思惑や意図が淡々とだが複雑な演出で描かれていて観る側を引き込む力があった。
トー先生、アンタのそのチカラ業にあたしゃ脱帽だよ。
っとはいっても小物の演出、光のコントラスト、自転車小僧をバックに流れるカメラワーク、様々な演出が計算された上でのチカラ業なので誤解のないように。
多少強引なカンジで展開していくが繁華街・尖沙咀が見せる裏の闇と事件に関わる人間の闇が融合されていて、それが終盤の銃撃戦で一気に盛り上がるあの演出に拍手もんですた。
格好悪さがかえって人間臭さを引き出していて、そこに美学みたいなものを感じさせるのではないかと・・・
考えると短時間でおきたドタバタを描いただけなのだが、
事件の後、いつもの日常戻っていく現実、シニカルな作りでなんとなくニヤリとしてしまうラスト。
派手な作りでもなくオチも「オイッ!」となりながら、たぶん何度も観るであろうと思う一本。
2003年 香港
監督- 杜琪峰(ジョニー・トー)
出演-任達華(サイモン・ヤム)/林雪(ラム・シュー)/黄浩然(レイモンド・ウォン)/邵美[王其](マギー・シュウ)/黄卓玲(ルビーウォン)