HK CINEMA LABO 映画と猫。ときどき雑記帳

映画ときどき猫。音楽、パソコン、趣味

0061 北京より愛をこめて/國産凌凌漆

STORY

中国、北京。国民の宝“恐竜の頭の化石"が謎の鉄仮面の男に盗まれた。この特殊事態に人民警察司令官(チャン・ポーリン)は一計を案じて、今は田舎町の肉屋に落ちぶれている元スパイのチャイ(チャウ・シンチー)を呼び出す。実は司令官(ウォン・カムコン)こそかの鉄仮面その人で、このプランの目的は事態の調査に動く“南"の情報部のスパイ活動の撹乱にあった。チャイは今はイカれた発明家ダ・マンサイ(ロー・ガーイン)らに見送られ、目的地で長官の密命を受けた女スパイ、カム(アニタ・ユン)に会う。とりあえずスパイ活動らしきことをはじめた二人。だが、カムの本当の任務はチャイを抹殺すること。ところが彼女は彼の抹殺に失敗したばかりか、彼に恋してしまい・・・

REVIEW

チャウ・シンチー作品に興味を持った人にまずオススメするのがコレ。

構成、ギャグ、オチ、そしてパロディのパターンが一番ベタでシンチー作品らしいから。そして何度観ても笑えるから。

最初っからツボにハマってしまう。主人公007自身の設定が10年もほったらかしにされて肉屋をやっているスパイって全然ダメじゃんと思いつつ、その肉屋の姿のシンチーがワイングラスを傾けながら、自分も傾きながら格好つけている姿がムダに格好いいってのが、たまらなく好きです、わし。

冒頭から本物の『007』とは別物というテロップが入るが、しょっぱなからおもいっきりパロっていて、遠慮というものがない。一瞬ここまでやって「大丈夫か?」と思ってしまうけど、これもご愛嬌でしょう。

他にも『欲望の翼』のトニー・レオンのラストをシンチー自身がパロっていたり、

アニタ・ユン自身も『つきせぬ想い』をセルフパロディにしたりと解りやすい造りに徹している。

キャラクター設定にみんなクセがあって、特にロー・ガーイン演じたダッ・マンサイの名前とか見る人が見れば内輪ネタで笑えるでしょう。そのダッ・マンサイがこれまた使えるのか使えないのかまったく解らず。最後もやっと役に立ったと一瞬思ったら、やっぱり使えない(笑)

アクションも見せ場があり、その中に笑いがしっかり組み込まれていて何度観ても面白い!!と唸ってしまう。

それにアニタ・ユンがかわいいしね。

セリフに毒があって中国公安を揶揄した表現があるためか中国では公開中止になったという一本。

そして、リー・リクチーと共同ではあるが監督業に本格的に進出した作品としてチャウ・シンチー迷の私としては思い入れが強い一本。

あと、エンディングのカットされたシーンとか以外に面白くて、「カットしなくても良かったんじゃない?!」ってシーンがツボにはまりますた。

1994/香港

監督-李力持(リー・リクチー)、周星馳(チャウ・シンチー

出演-周星馳(チャウ・シンチー)/袁詠儀(アニタ・ユン)/羅家英(ロー・ガーイン)/陳賓蓮(ポーリン・チャン)/黄錦江(ウォン・カムコン)