HK CINEMA LABO 映画と猫。ときどき雑記帳

映画ときどき猫。音楽、パソコン、趣味

八星抱喜/All’s Well End’s Well 2012

八星抱喜

 

STORY

マキシンは離婚歴のある心もとない女性。

自由な時間がたっぷりある独身男性と、男手を必要とする独身女性が大勢いるのに気づき、暇のある男性に助けを求めている女性を救ってもらおうと、 “抱擁”をコンセプトとしたウェブサイトを始めることを思いつく。

 

 

REVIEW

沖縄国際映画祭にて鑑賞。会場入りしたら、あまりの人の少なさに愕然。。。

映画祭なんだから、イベントばっかじゃなくて映画も観ろーーーーー!!!と思うくらいガランガラン。

舞台挨拶にいた天津木村も真っ青ですた。

 

せっかくチャン・ヒンカー監督とジャネット・チュン監督の舞台挨拶もあったというのに。。。

 

っとまぁ悲しい現実を噛み締めつつ、基本、ドニ兄さん(甄子丹)が観たくて、んでもアクションのないドニ兄さんってどうなんだろー?と不安もありつつの鑑賞。

 

 

 

この手の旧正月映画って当たり外れが目立つけど、これは観ていて楽しい映画ですた。

 

4組の男女の物語。それがランダムな感覚で繰り広げられていく。

譚冠榮(甄子丹)と宋秋波(呉君如)、朱玉剛(黄百鳴)と思思(楊冪)、華一星(杜汶澤)と談笑(熊黛琳)、彭堅(古天樂)とJULIE(陳慧琳)という構図。

 

それぞれのエピソードはありがちなんだけど、香港映画らしい笑いの安定感がありますた。

 

やっぱ、インパクト強いのはドニさんでしょう。あのロン毛見た瞬間やっぱり時が止まりましたけど、だんだんなれてくると凄くキュートなの(思いっきり贔屓目)アクションのないドニ兄さんもイケるやないのー!!

んで、サンドラ姐さんとのやりとりが笑える。ドニさんの部屋に転がり込んだくらいから、この組み合わせは加速して面白くなってますた。

 

落ち目の元アイドルと売れないミュージシャンの組み合わせがベタベタすぎるけど(笑)

 

んで中盤、昔組んでいたバンド仲間にトイレで陰口叩かれて打ちのめされ家に帰ってきたドニ兄さんとちょうど部屋から出て行こうとしているサンドラ姐さんのやりとりがちょっといいんだよねぇ

 

 

ルイス・クーとケリー・チャンもこれまた楽しげな雰囲気で、ルイス・クー演じる工事現場の親方キャラがかなり笑える。わけのわからん英語を使う筋肉バカといいましょうか。。。そのまわりにいる舎弟のような部下もこれまたアホな面子。しっかりその中に林雪(ラム・シュー)までいますた。さすがラムちゃんといいますか、ちょい役なのに印象強い。

 

カメラマンのJULIE(ケリー・チャン)は彭堅(ルイス・クー)を被写体にするわけですが、師匠に愛が足りないみたいな事を言われ彭堅がJULIEを愛するようになると良い作品が出来るってな事になり、好きでもない彭堅を色気じかけで誘惑して無茶なポーズを取らせたりするんですねぇ。んで、筋肉バカの彭堅はすぐにJULIEを好きになるんですよ。

 

 

4組のエピソードの中では弱い印象はありますけど、もう彭堅の単細胞っぷりがたまらなく可愛らしい。愛すべきおバカな存在で楽しめた。

 

 

朱玉剛(黄百鳴)と思思(楊冪)のエピソードは疑似親子の関係。実の娘にも嫌われる弁護士、朱玉剛と25歳までに結婚しないと遺産が相続できない富豪の娘、思思が3人の花婿候補を見極めていこうって偽の親子関係を結ぶんですね。

んで、3人の候補をあれやこれやと試していくんです。その中盤、留学する実の娘に罵られる朱玉剛や、最終手段で事故に見せかけて全身包帯の思思がこれまた候補たちを騙していくにつれて、だんだん親子の絆が生まれてくるわけです。ちょっと温かくてちょっぴり泣ける感じ。

 

 

そして、華一星(チャップマン・トー)と談笑(熊黛琳/リン・ホン)が思った以上に面白い。華一星は傾城武というペンネームで売れっ子の恋愛小説家なんだけど、見た目が残念な男なんですね。恋愛経験のない盲目の談笑の願いを叶えるため色々なデートをする。

 

目が見えない談笑を半ば騙すような演出なんですけど、何も知らない談笑はそれでも凄く喜ぶんですね。それで楽しい日々が続くわけです。プールで波の音を再現したり、シャワーで雨が降ったように見せかけたり。談笑の為に必死で可愛いんです。だけどある日、美人なんだけど目が見えない談笑を自分の仲間にお披露目するんだけど、仲間内からモテないことでバカにされている華一星は談笑に目が見えるフリをさせる。

この場面はベタに笑える場面も多いけど、目が見えないことがバレた時ちょっと切ないのだよ。

 

にしても、華一星のキャラが陳可辛にモロかぶりで笑た。でも、香港映画をあまり見ない人には何のこっちゃ?ってなるだろうなぁ。あと『傾城武』もウケた。

 

 

 

基本的に香港人、香港映画好きな人には元ネタがいろいろあって楽しめるんじゃないかなぁと思う内容ですた。んー、ただあまり香港映画を見ない人は意見が分かれる映画かと。。。個人的にはかなり楽しめました。

ベタベタすぎる展開とこれまたベタベタなオチ。でもこういう ”らしい” 香港映画はやっぱ好きだなー。

 

ただ、ロン毛のドニ兄さんをだんだんと格好よく見えた自分に恐怖(笑)