HK CINEMA LABO 映画と猫。ときどき雑記帳

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リー・ロック伝 大いなる野望 PART I 炎の青春/五億探長 電洛傅I電老虎

STORY

青年リー・ロック(A・ラウ)は、見回り先の上前をはねることもない、清廉な巡査だった。しかし、ある商店の娘(チンミー・ヤウ)に恋をし、貧乏な警官とは結婚させないという彼女の父親の言葉を聞いたときから、彼の堕落が始まってしまう。その娘とは火事で離ればなれになってしまうものの、リー・ロックは悪の道をひた走るのだった。(allcinema ONLAINEより抜粋)

REVIEW

1950年代に実在した汚職警官リー・ロックを描いた物語。

この作品、原題、日本語タイトル共に長いですが、物語自体も前編part1、後編part2と4時間近くある大作となっています。

汚職警官リー・ロックの物語を4時間近く見せるってことは、それだけリー・ロックという人物がただの汚職警官というだけではなく魅力的な人物、時代背景がドラマティックだったからだろう。

物語は主人公リー・ロックが巡査から警察長官まで登りつめ、カナダで隠居するまでの話。前編はリー・ロックが徐々に頭角を表していく様と敵対するガントン部長との対立が面白く描かれています。

その敵対するガントン部長を演じているのがチョン・プイなんですが、いや?ホント、嫌味な役が上手すぎて観ている側はアンディを応援したくなっちゃうくらいイヤな奴。こういう映画には絶対ガントン部長のようなキャラクターは必要不可欠だね。物語に面白さが増すもん。

んでもって恋愛要素の描き方もなかなかのもんで、若い頃の切ない恋愛と政略的な結婚を描くところはスタンダートながらに面白さを感じた。

結ばれない相手ローズ(チンミー・ヤウ)の存在が後編part2で重要な役どころになるのも良かったし、リー・ロックの妻となるグレース(チョン・マン)の存在も嫌味にならない存在。

二人の女性はリー・ロックに大きく関わる存在。その二人の存在は控えめだけどドラマ性も感じたし、必要不可欠に描いているところが良かった。

内容はリー・ロックがのし上がるまでを真面目に描きつつもコメディタッチな部分も多々あって、左遷先の場面はのんびりとした雰囲気で緩和されている。後に「五億探長」と呼ばれるロックにも若い頃は愛嬌のある男だったってのが垣間見れる演出で結構好きですた。

part1のラストは後編part2に持っていくように、ロックの元恋人ローズが現れます。これは後編も見なきゃマズイしょ!って上手い作り。

前編だけで約2時間かかりますが、時間の経過を感じさせない娯楽性の高い人間ドラマだなぁと思える物語ですた。

後編part2は近々レビューしたいと思います。

1991年/香港

監督: 劉國昌(ローレンス・アモン)

出演:劉徳華(アンディ・ラウ)/邱淑貞(チンミー・ヤウ)/張敏(チョン・マン)/ 呉孟達(ン・マンタ)/秦沛(チョン・プイ)