HK CINEMA LABO 映画と猫。ときどき雑記帳

映画ときどき猫。音楽、パソコン、趣味

ドラゴン・キングダム/功夫之王

STORY

カンフーマニアで、孫悟空を夢見る17歳のジェイソン(マイケル・アンガラノ)。ある日チャイナタウンでギャングに追われた彼は、次の瞬間古代中国のとある村で目を覚ます。大酒飲みの男ルー・ヤン(ジャッキー・チェン)に危機を救われたジェイソンは、やがて白馬に乗ったサイレント・モンク(ジェット・リー)に出会い……。

REVIEW

ジャッキー・チェンジェット・リーが初競演という話題性のみならず、彼ら2人の映画を観て育った世代にはたまらんだろうなぁと思えるような映画ですた。

勧善懲悪な解りやすい物語でテンポのいい展開。ジャッキー&リンチェイは一人二役という贅沢な演出、女優陣の華やかさ、悪の存在である将軍の存在感、美しい風景、そして見応えを感じるアクションとさすがハリウッド映画だなぁと思える贅沢さを感じた。

ハリウッド映画で中国人役者を起用する部分での変なイメージを持った中国の演出だったら・・・という不安がありましたが、時代設定や架空の帝国を描いた事とオール中国ロケが功をなしたのか決してヘンテコな中国のイメージはなく違和感を感じず楽しめますた。

ハリウッド映画の力と中国・香港映画の良さを上手く合わさってできていたように感じます。

多少、勿体ないのは登場人物の背景をもっと練って欲しかった所かなぁ。善側が重視されるあまり、悪の存在である白髪魔女や将軍がちょっと描ききれてない部分も感じる。特にクライマックスの将軍との対決はちょっと畳み掛けるには早すぎだし、物足りなさも感じますた。あとやっぱりVFXが多用されている所は個人的には好みではありませんですた。

それでも、娯楽作としては十分に楽しめるし、アクションシーンはさすがに見応えがありますた。

特に前半の出会い頭のジャッキーVSリンチェイの如意棒の取り合いは興奮もの。個人的にはこの二人の手合わせが見れるだけで大満足ですた。

アクションシーンも良かったけど、ルー・ヤンとサイレント・モンクがジェイソンにカンフーを教える場面が個人的には印象的。なんだか「酔拳」を思い出すような雰囲気が嬉しかったなぁ。ジャッキーが酔拳の達人ってのが、期待通りで嬉しかったです。

リンチェイは寡黙なサイレント・モンクと孫悟空を上手く使い分けてよかったです。ただ、サイレント・モンクと孫悟空の関わりが早い段階で読めてしまったので、その伏線の描き方はもうちょっと捻りが欲しかったんですけど、まぁそこはご愛嬌という事で個人的には孫悟空のやんちゃな表情とかが好きだったので、この二役はかなりお気に入りですた。

あと、ジェイソン役のマイケル・アンガラーノという俳優さんは、最初華のない雰囲気だなぁと失礼な事を感じていましたが、物語が進むにつれ、ジャッキーやリンチェイ、その他の俳優に負けず劣らず良い存在でヘタレな少年が強くなっていく展開とともに物語の中心となって動き回っていく存在感に良さを感じた。

女優陣もかなりの好演で、ゴールデン・スパロウを演じたリュウ・イーフェイと白髪魔女を演じたリー・ビンビンと対照的な雰囲気の華が印象的でしたし、アクションも思った以上に見応えがあって決して華を添えるだけの存在でなかった所が好印象ですた。

物語のオチの付け方は読めてしまうものの、それでも嬉しいオチの付け方でスッキリできますた。

久しぶりに頭を空っぽにして楽しめる映画に出会えた気がしますた。やっぱ娯楽映画はこうじゃないとね。

でも、なんだかんだでこの映画の一番のお気に入りはオープニングの粋な演出。あちらこちらに功夫映画のスターが現れるあの演出でこの映画が一発で好きになりますた。

2008年/アメリ

監督:ロブ・ミンコフ

出演:成龍ジャッキー・チェン)/李連杰ジェット・リー)/マイケル・アンガラーノ/劉亦菲(リュウ・イーフェイ)/李冰冰(リー・ビンビン)/ 鄒兆龍(コリン・チョウ

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