HK CINEMA LABO 映画と猫。ときどき雑記帳

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激突! 蟷螂拳

STORY

父が清の大臣である韋風(デビッド・チャン)は、武術の達人であり、諜報員でもあった。ある日、名家である田老太(ラウ・カーウィン)が反政府派ではないかという嫌疑がかけられ、それを調べるために韋風は田家に家庭教師として潜り込む。だが、教えることになった田老太の一人娘の芝芝(セシリア・ウォン)と恋に落ちてしまい、本来の仕事を忘れて彼女と結婚したいと思う。田老太にそのことを伝えようとするが、韋風が清朝の犬であることを彼は気づいており、田の息子たちが韋風を襲う。壮絶な闘いのなか、彼を助けようとした芝芝が犠牲となって死に、韋風もなんとか逃げるが、愛する人を殺されたことに怒りに燃え復讐を誓う。田老太のあまりの強さに攻略を考えるが、ある時、1匹のカマキリの動きに注目する。新たな拳法が作れるのではないかと考えた韋風は猛特訓を開始し、ついに必殺の蟷螂拳を編み出したのだった。

REVIEW

オープニングのヨレヨレなカンフーアクションの姜大衛(デビッド・チャン)を見て、ちょい脱力。

んが、物語が進むにつれ展開が面白くなっていきますた。

でも、まぁ至る所にツッコミ所は多いし、腑に落ちない点もチラホラあります。

姜大衛扮する、韋風は朝廷から反政府の嫌疑をかけられている田老太家に潜入するんだけど、そこの孫、芝芝と恋に落ちてしまうんですねぇ・・・といっても芝芝の押しに負けたといった方がいいかも、んで、いとも容易く結婚することになります。でも、朝廷に田老太家の嫌疑の是非を早く報告しないと家族がエラい目に遭わされるため、韋風は家に帰りたいと田老太家の主である、劉家榮に申しでるが、すでに朝廷のスパイであることを見破られていたので、そうは問屋が卸すまいってな感じに。で、田老太家の一人一人の部屋を対決しないと外に出れない韋風は芝芝と共に協力していくことになって、てんやわんやという展開。

物語は、前半、芝芝との恋愛が絡みつつも穏やかに進んでいきます。なんだか、緩い物語だなぁなんて感じてしまう。が、韋風が朝廷のスパイであることが解り、田老太家から出ていくとなった展開から物語は怒濤の展開をみせます。

やっぱり、そこで繰り広げられる韋風&芝芝VS田老太家の激闘が面白い。こういう展開は観ていて凄く興奮できる作りになっていますた。韋風は一部屋ずつの相手を突破していかないと屋敷から出れないんですが、それぞれに違う戦い方が用意されていて、まったく飽きのこない展開。

で、色々あって屋敷から出れた韋風ですが、そこに犠牲は付きもの。そこで、韋風は復讐を誓い、潜伏先でカマキリの動きに注目し、蟷螂拳を編み出す。んで、今度は田老太家に仇討ちしに行くんですねぇ。

今度も、一人一人の部屋を突破し、最後の部屋にいる主の劉家榮と激闘を繰り広げるわけです。流れとしては、結構面白い作りをしているなぁと感じる

んがっ!もう、物語をじっくり観ると、っつーか観なくても腑に落ちない点が多すぎる。

主人公である韋風が復讐するほど、田老太家ってそんな悪い人たちには見えないんだよねぇ・・・凄い悪を描いてくれたら、韋風が復讐に燃えるっていうのも解るんだけど、そういう悪でもないし、芝芝が犠牲になってしまうけど、不可抗力みたいなもんじゃん!て感じで、どちらかっつーと芝芝の押しで一緒になった韋風より、孫娘を自分の手で殺めてしまった主の劉家榮のほうが、悲しいんじゃないかとか、こう、韋風の復讐する行動とその理由にもの凄く温度差を感じるのよね・・・しかも復讐にもどった韋風の殺し方が残忍で、怖いっつーの!!

物語としては、無理のある内容なんですが、スピーディで見応えある激闘シーンの展開の良さはかなり上出来であります。

オープニングにヨレヨレアクションの姜大衛も物語が進むにつれ動きにキレを感じてきて、あんなヨレヨレに見えたアクションが強く見えてくるから不思議。

・・・にしても、この頃から姜大衛は顔が丸くなってきているんですよねぇ・・・そこがちょっと切ない。

ラストは、まぁなんと言いましょうか衝撃的というか、まったくスッキリしません。

父ちゃん、そりゃあ無ぇだろうー!!って感じの終わり方に呆然ですた。

でも、この物語が面白かったのは、やっぱり激闘シーンがちゃんと練られていたからかも、アイディアがあって、見る側を引き込む力を感じますた。

ちなみに、DVDジャケットでリュー・チャーフィーが大きく扱われていますが、彼はほんのチョイ役です。

あと、古い版のDVDの特典も結構充実して、それも見応えありです

1978年/香港

監督:劉家良(ラウ・カーリョン)

出演:姜大衛(デヴィッド・チャン)/黄杏秀(セシリア・ウォン)/劉家榮(ラウ・カーウィン)/李麗麗(リリー・リー)/徐少強(チョン・シウキョン)/唐偉成(ウィルソン・タン)