HK CINEMA LABO 映画と猫。ときどき雑記帳

映画ときどき猫。音楽、パソコン、趣味

サウンド・オブ・カラー?地下鉄の恋?/地下鐵

STORY

★香港。小さなデートクラブを経営するホー(トニー・レオン)は、目の不自由な娘ヨーク(ミリアム・ヨン)と出会い意気投合。だが、新開発の痩身ジュースを飲んだホーが失明してしまう。「音」だけの世界で恋におちた二人だが、クリスマス直前、ホーを思いもよらない出来事が襲う―!

★上海。トン・レン(ドン・ジェ)は憧れの彼に失恋したばかり。間違えて配達されたカードを見てドンに恋した台湾青年・ション・チャン(チャン・チェン)は彼女に会うため上海ヘ行くが、彼女の心は失恋の痛みに凍りついてしまっていた―。(UNIVARSAL PICTURESより)

REVIEW

クリスマスシーズン真っ盛りの作品。

きっと、もっと寒い時期に観たら、気持ちがもっと盛り上がってんだろうなぁなんて思う。なかなか素敵な作品ですた。

原作は台湾の絵本作家ジミーの「地下鐵」が元ネタ。この人の作品を一部アニメーション化した「恋の風景」という作品があるんだけど、それも凄く好きな世界観だったんですね。

わし個人としてはラブ・ファンタジーって基本苦手な方なんだけど、きっとこの絵本作家ジミーの描く、ちょっぴり切なくて、だけど暖かで穏やかな雰囲気が好きなんだろうなぁと感じる。

物語は2つの恋の話が交互に進行する。物語が交わることはない。共通するのは地下鉄と天使ってことだけ。

トン・レン(ドン・ジェ)とション・チャン(チャン・チェン)の失恋から物語は静かに始まるんだけど、切なさが伝わってくるような物語。そんな二人が静かに少しずつ惹かれ合っていくような展開が良かった。

でも、どちらかと言われればトニーとミリアム・ヨンの物語が好きですた。

トニーさん演じるホーは変にプライドが高くてちょっと情けない感じの役なんだけど、そんなホーを上手く操縦するヨークとの関係が凄く良かった。ミリアム演じるヨークは目は見えない女性だけど、そんなハンディキャップを感じさせないキャラ。2人のキャラクターが魅力的。

あと、周りのキャラもよかったなぁ。トニーの仲間とか、ちょっと間抜けな仲間だけど何処か憎めなくて愛すべきキャラクターで、そんな仲間とホー(トニー)が絡むとコミカルで面白い。

トニーさんはシリアスな役もいいけど、こういうコミカルなキャラの方が個人的には魅力を感じる。

でも、一番良かったのはヨークの父親を演じたラム・シュー。ちょこちょことしか出てこないし、特別印象に残るセリフを言うわけじゃないけど、仕草とか顔の動きで娘ヨークを想う父親を自然に演じている。決して前に出る演技じゃないのに印象に残るような。あぁこの人いい俳優だなぁって改め感じた。

クリスマスシーズンの映画ってことで、ほのぼのとした作品。

特別、際立った物語ではないですが、ちょっぴり切なくて何かいいなぁっと心が癒されるような物語ですた。

2003年/香港

監督:ジョー・マ

出演:梁朝偉トニー・レオン)/楊千[女華](ミリアム・ヨン)/張震(チャン・チェン)/董潔(ドン・ジェ)/林雪(ラム・シュ)