HK CINEMA LABO 映画と猫。ときどき雑記帳

映画ときどき猫。音楽、パソコン、趣味

チャイニーズ・ゴースト・ストーリー/倩女幽魂

STORY

古びた寺で旅の一夜を明かそうとした青年・ニン(レスリー・チャン)は、スーシン(ジョイ・ウォン)という美しい娘と出会う。何かと気があるようなそぶりを見せるスーシンに、ニンも心がときめくが、顔見知りのイン道士(ウー・マ)から、彼女には気を付けるようにと忠告される。実はスーシンは、人間の生気を吸い取る妖怪・ロウロウ(ラウ・シウミン)の手下として、男たちを次々と誘惑する幽霊だったのだ…。

REVIEW

凄く久々に観ますた。この映画、当時流行りましたねぇ。懐かしい。

ジョイ・ウォンが人気だったのを覚えてます。今観ても、この作品のジョイ・ウォンは綺麗ですた。

中国の奇書『聊斎志異』が原作。その一編を映画化したそう。原作はハッピーエンドみたいですが、やっぱり悲恋もののほうが切なさが増していいですね。

香港映画におけるファンタジーホラーの中では群を抜いて上出来だと思います。

展開もテンポよくて、ホラーだけど、アクションシーンもふんだんに取り入れて目が離せない。ツイ・ハークチン・シウトンらしい演出はさすが。

ワイヤーアクションに関してはたぶん、この作品くらいからアクションのスピードが速くなったと思う。今見ると当たり前の速さのワイヤーアクションも当時は衝撃的で凄いなぁって思いますた。

そういう要素もさることながら、何より美しい幽霊と貧乏書生の結ばれない恋物語が切ない。もう物語自体が引き込まれるんだよなぁ。

脚本もよかったと思うけど演出も美しくて、何より主役2人が魅力的。

ジョイ・ウォンの妖艶な美しさに凄くドキドキした。彼女が人気出たのが凄く解る。

そして、レスリーもニン・ツァイサンって純朴な青年を上手く演じていて、母性本能をくすぐる弱っちいキャラが功を成してより面白く感じる。

そりゃ、どんな男をもイチコロにできる女もあのニンのようなキャラクターには弱いわな。どこか放っておけない雰囲気なんだもん。

そんな二人のラブシーンが凄く色っぽくて、昔鑑賞したときはわしも一応、純情少女だったので、まともにそのシーンが観れませんですた。っで、今はちゃんと見れるけど、やっぱり今観ても色っぽくてテレますた。

一番印象的なのは、水の中でのキスシーン。あのシーンは久々に見ても良い場面だと思うし、やっぱり忘れられない。

あと、ウー・マが演じたイン導師のキャラがオイシイ役どころ。この人が絡むとちょっとコミカルな部分が生まれて適度に物語に味わいが出るんだよなぁ。しかも一番役に立つ。何より活躍するのはこの人ですた。そんなウー・マが歌う「道」が頭から離れん・・・

確かに特撮部分はショボいし、今観ると結構強引な展開も多々あるのは否めませんが、ワイヤーを酷使したアクションの数々、美しい演出、何よりもラストの別れが切ない。

太陽を隠すニン、朝が来なければと願うスー・シン。

あんな近くある想い人の顔も最後にひと目見る事もできず、二度と会えない二人に胸が苦しくなる。

切ない別れだからこそ、この映画は人気があるのだと思う。

この「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」は続編もあるんですが、やっぱり最初のこの作品が一番好きですねぇ。ニンのその後を描いた「2」もなかなか見応えありますが、やっぱり切ない展開のこの作品が個人的には好きです。久々に鑑賞してやっぱりいい作品だなっと感じますた。

1987年/香港

監督:程小東(チン・シウトン

製作:徐克(ツイ・ハーク

出演:張國榮レスリー・チャン)/王祖賢(ジョイ・ウォン)/午馬(ウー・マ)/林威(ラム・ウェイ)/劉兆銘(ラウ・シウミン)