HK CINEMA LABO 映画と猫。ときどき雑記帳

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黒社会/我在黒社會的日子

STORY

香港最大のマフィア組織・洪興社の組長クワンがライバル組織に暗殺され、彼の一人息子リー(チョウ・ユンファ)がアメリカから帰国する。組織の幹部たちは、跡継ぎになって欲しいとリーを説得するが、マフィアを嫌うかたぎの彼は頑として受け付けなかった。しかし、縄張りを狙うビョウの手下に襲われたところを幹部たちに助けられたリーは、組織を企業化することを決意。彼のやり方で黒社会の抗争をまとめてゆこうとするのだが…。

REVIEW

黒社会」って言ってもジョニー・トー監督作品の方ではありません。89年のテイラー・ウォン監督のほうです。

はっきり言って、あんま面白んないのコレ。

じゃあ、何故この映画のレビューをするのかっていうと、我らがロイ兄さんが準主役級の扱いだから。んでもって、今週はロイ兄さんの誕生日にあたるので、ちょっと彼の出演作品をチョイスしようと思ったワケです。

チョウ・ユンファが演じる、ヤクザの息子が父親が死んだ事によって黒社会のボスになってしまい、縄張り争いが激化した抗争に巻き込まれるっつー話。

ユンファ演じるリーが黒社会に身を置いた日々を描いているんだけど、話の作りが雑でラストに向かって行くうちにさらに雑になるんですよねぇ。

ラストもこれで終わりかい!って思うくらい尻すぼみなオチ。

しかも、リーというキャラクターにあまり魅力がないんだよなぁ。

却って幹部役のチャーリー・チャンとロイ兄さんにスポットが当てられているような内容ですた。

チャーリー・チャンは家庭とボスに指名された間で悩んだり、リーをそっとフォロー出来る男気を感じる役どころでなかなかオイシイ役どころ。

そんな、チャーリー・チャンの身を案ずる奥さんが殺されてしまい、リーに向かって「何故、自分をボスに指名したのか?」と聞くシーンがよかった。別にリーを責めてるワケではなくて、ただ悲しいだけなんだよね。

リーより、このチャーリー・チャン演じる幹部のキャラに重点を置いた方がよかったのかも知れない。華は無いかも知れないけど。

ロイ兄さんに至ってはツッコミどころ満載の役柄ですた。

兄さん演じるコンは父親も黒社会の男で、そういう環境で育ったために黒社会でしか生きられない男を演じている。基本、直情バカだからか若いからか、トラブルメーカーな存在なんですねぇ。その世界に20年もいるのに未だ出世できないチンピラ風情。

ユンファの命を救ったことから出世。そのユンファを救うシーンはミニバンに撥ねられて病院に入院しても普通にタバコを吸うくらい元気。

でっ、昇進の儀式みたいな場面ではパンツ一丁の出で立ち。

別シーンでは同じ仲間のシン・フイオンに仲間のチャーリー・チャンを襲ったと誤解され「俺じゃないんだ?」っとシン・フイオンの胸ぐら掴んで、柱のような所に頭を何度も強打、その結果シン・フイオンは柱に打ち付けてあった釘に刺さって死んでしまうという、「んな、アホな・・・」という結果にわし、呆然となりますた。

だけど、そんなロイ兄さん演じるコンのほうが主役のユンファより魅力的なキャラですた。クライマックスもオイシイ役を持っていったのもロイ兄さんなんですねぇ。あのタバコをくわえるシーンはロイ迷のわしとしてはOKな結果ですた。

まぁでも、大して盛り上がる内容でもなく、派手なドンパチが見れるワケでもなく、当時ノリに乗ってたチョウ・ユンファ黒社会ものとしては明らかに失敗の部類だけど、ロイ迷としては彼が多く出演しかもなかなかイイ奴の役ってのはちょいと嬉しいと思った作品。

でも、出演者が好きじゃないとツラい映画だわな。と思います。

1989年/香港

監督:黄泰來(テイラー・ウォン)

出演:周潤發 (チョウ・ユンファ)/張耀揚(ロイ・チョン)/麥潔文(コニー・マク)/ 成奎安(シン・フィオン)/陳惠敏(チャーリー・チャン)/會江(ケネス・ツァン