HK CINEMA LABO 映画と猫。ときどき雑記帳

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愛と復讐の挽歌 野望編/江湖情

STORY

マフィアのボス、チウの金に手をつけた義兄弟のユン(アレックス・マン)とクォ(アンディ・ラウ)は、窮地を救ってくれたライバルのボス、チャイ(チョウ・ユンファ)の元で働くことに。控え目で忠誠心に厚いクォはサイの信頼をかち得ていくが、我がままで功ばかりを狙うユンは逆にチャイの怒りを買い、冷遇を受ける。嫉妬と恨みに狂ったユンはひそかにチウと手を組み、チャイの恩人を殺害。さらにはサイとクォにまでその魔手を伸ばしてくる…。

REVIEW

アンディが若ーい!アレックス・マンが細ーい!ユンファはやっぱ背が高い!!

この頃のユンファって今より細身で長身が目立って格好いいわ?。

ところで、この「愛と復讐の挽歌 野望編(江湖情)」は、「愛と復讐の挽歌(英雄好漢)」と二本で一つの内容です。

当時ユンファ人気にあやかって、2本に分けたそうな。

でもって、何故か日本では後半の「愛と復讐の挽歌(英雄好漢)」から先に公開されたんですよね。なので、「愛と復讐の挽歌(英雄好漢)」が前編と誤解されやすいですが、「愛と復讐の挽歌/野望編(江湖情)」が前編なので、これからこの作品を観るかたは、「愛と復讐の挽歌/野望編(江湖情)」から観たほうがいいと思います。

内容はスピーディな展開で、アンディ演じるクオはやたら怪我ばっかり(しかも重傷)なんですが、回復が早っ!と思うくらい次のシーンでは怪我は治っています。

でも、このスピーディな展開こそが、物語を飽きさせない。

この「野望編」の登場人物、チャイ(ユンファ)、ユン(アレックス・マン)、クオ(アンディ)のそれぞれがちゃんと軸として物語りが展開して、三人の主なキャラが際立っていたのでそれが面白さに繋がっている感じがしますた。

そしてもう一人、アラン・タム演じるインサンの存在がよかった。どちらかというと格好悪いタイプの小物な男を演じていて、最後は悲しいけれど、この小物な感じがする男が最後に爆発したとき格好よさを発揮するんだよなぁ・・・

あと、クオとユンの姉チャウを演じたポーリン・ウォンが切ない役どころで何気にいいんだよねぇ。チャイの事を密かに好きで、でもチャイはカリーナ・ラウ演じるボウイーが好きだから気持ちを言えずにずっとチャイの元で部下として側にいるしかないんだ。そのチュウがチャイとボウイーに背を向けて泣くシーンは切ないぁ。

時々現れるダニー・リーもいい。役的にはいつもな感じの刑事役なんだけどダニー・リーの場合、そのスパイスのような存在感が安心するんだよねぇ・・・

ユンファは器の大きいボスの姿を演じていて格好よかったし、アンディは恩人のチャイと兄ユンとの間で悩む正義感があって義侠心あふれる役を見事に演じていたと思う。

そして主役のユンファやアンディもよかったけど、ダントツはやっぱりアレックス・マンでしょう。最初はただの小狡いトラブルメーカーで、「あっ何かイヤな奴」って感覚でしかなかった男が、だんだん際限なく嫌な野郎に変わっていく所が観ているだけで怒りを感じるくらい。

しかも、警察に連行されたのにも関わらず不敵な笑みを浮かべて去っていくユンに後編を期待せずにはいられんかったわい。

もうね、ユンに対しては怒りも覚えたけど、なんでこんな奴になってしまったんだ??って悲しい気持ちもあるんだよね。だって物語りの始めではユンとクオは血が繋がらなくても兄弟同然に育って、父親や姉チャウもみんな仲のいい家族なんだよ。だからこの「野望編」のラストに映る家族写真が悲しい。

でも、そんなユンに怒りを覚えながらも悲しいと思う感情もこの前編まで。

後編は怒濤の展開と怒りで同情の余地もなくなる存在へと化します。

その後編「愛と復讐の挽歌(英雄好漢)」は次のレビューで・・・

1987年/香港

監督:黄泰來(テイラー・ウォン)

出演:周潤發(チョウ・ユンファ)/劉徳華アンディ・ラウ)/萬梓良(アレックス・マン)/劉嘉玲(カリーナ・ラウ)/王小鳳(ポーリン・ウォン)/柯俊雄(コー・ジュンジョン)/譚詠麟(アラン・タム)/李修賢(ダニ・リー)