HK CINEMA LABO 映画と猫。ときどき雑記帳

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続・少林寺三十六房/少林搭棚大師

STORY

町の悪徳連中が経営する染物工場が一方的に職人たちの賃金カットを決めた。経営側の暴挙に悩む染物職人たちは、三徳和尚を名乗る託鉢僧のチョウ・ジェンチェ(リュー・チャーフィー)に助けを求めるが、武術もろくに知らないチョウは相手にコテンパンにやられてしまう。職人たちのために心を入れ替えたチョウは少林寺の修行僧になりすまして三十六房の技を習得しようとするが、すぐにばれて追い出される。だが、チョウの執念を見てとった三徳和尚は試験的に入門を許可し、チョウは三十六房の建物の修復を命じられながら、見よう見まねで各房の技を習得していく

REVIEW

少林寺三十六房』の続編ってことで鑑賞しますた。でも、全然続編じゃありません。確かに三徳(サンダ)和尚出てきますが別人が演じており、しかも前作よりスケールは小さいような気が・・・

前回のようにリュー・チャーフィー演じるサンダ和尚が活躍すると思いきや、そのリュー・チャーフィー自身はジュンシェという小ずるい若僧役。内容も前作よりもコメディタッチで描かれています。で、そのジュンシェが染物工場で不当に扱われている兄や友人を助ける為に強くなるため少林寺でカンフーを習いに向かうというお話ですた。

しかも、そのジュンシェせっかく身分を偽ってまで少林寺に入れたものの、結局、修行はさせてもらえず、全てお見通しのサンダ和尚に寺の修復工事の足場を一人でやるように命じられます。

それまではストーリーが間延びしてしまって退屈だったけど、この足場のシーンから徐々に物語が楽しくなっていきますた。その足場を組み立てることが、実はジュンシェにとっては修行となっていくんです。そのシーンは凄くアイディアがあって面白い。

その後、下山したジュンシェは修行してないから、「カンフーは習えなかった」と仲間に言いますが、「じゃあ何していたんだ!」と詰め寄る仲間を軽く投げ飛ばすシーンがかなりウケた。

凄くムリヤリ感があるけどもうね、絶対ありえん強さ。足場の組み立てだけで強くなってるもん。何か、そのありえなさが凄く面白かったなぁ。

前作のサンダは生真面目な性格で修行に取り組む素直さが好感もてた。今回のジュンシェという主人公は小ずるいし、決して真面目ではないけど、自分のアイディアを駆使している所がキャラ的によかった。

サンダ和尚もよかったぁ。ジュンシェに足場を組み建たせて、そのあとすぐ解体して下山するように命じる。理不尽な扱いを受けたと思ったジュンシェだけど、和尚はちゃんとジュンシェが強くなっている事を知っているんだよね。だからあえて下山させるため理不尽な扱いをする。さすが、サンダ和尚だよ、深いね?。

徐々に強くなっていくジュンシェにあえて厳しくあたる。だけど、彼の見えない所で微笑んでたりする所とかいいなぁ。なんか心意気がいいんだよなぁ。

確かに前作に比べ、話のスケール感は小さくなったけど、そのぶんアクションはかなりの面白さ!

ラスト、強くなったジュンシェが悪徳経営の染物工場で戦うシーンは布を使った動きや棒、足場で覚えた縄の縛りの細かい動きが面白いし、足場での戦いは竹を使った動きで観る側を興奮させる凄さがありました。

ラストのアクションシーンがこの映画の集大成と言っていいかも。それくらい見所があります。

まぁ階段を登る様に強くなっていくような、ストーリー性のある前作に比べると内容はかなりムリヤリ感は否めませんが、コミカルなリュー・チャーフィーが見れたし、いつの間にか強くなっていた主人公を楽しむには悪くない。アクションシーンはかなり面白かったので、わし的には好きな映画です。

1980年/香港

監督:劉家良(ラウ・カーリョン)

出演:劉家輝(リュー・チャーフィー)/王龍威(ワン・ロンウェン)/小侯(シャオ・ホウ)/惠英紅(ベティ・ウェイ)/華倫(ワー・ルン)/井森(チン・ミャオ)