HK CINEMA LABO 映画と猫。ときどき雑記帳

映画ときどき猫。音楽、パソコン、趣味

ジェイ・チョウを探して/尋找周杰倫 Hidden Track

STORY

失恋に心を痛めたポポは全てを忘れるため、大陸から姉のいる香港へ移り住む。

しかし、彼のことが忘れられず、ふたりの思い出の曲を探すことに必死だ。その曲はジェイ・チョウのわずか500枚しか製造されていないアルバムのHidden Track(秘密のナンバー)だった。CDの最後の曲が終わってから7分間後にしか聞くことができない、いわゆるシークレットボーナストラックである。

ジェイのCDを探す中、ポポは様々な音楽フリークと出会う。愛犬を失った青年(ショーン・ユー)、テレサ・テンファンの警官(ダニエル・ウーニューエイジの指導者(イーソン・チャン)、そして失恋で味覚がおかしくなってしまった青年(ジェイ・チョウ)。彼らとの関わりの中でポポは徐々にほんとうに大切なものの存在に気づいていく・・・。(HMVより抜粋)

REIVEW

アメリ』っぽい世界観ですね。あと主人公ポポが『恋する惑星』のフェイ・ウォンのような雰囲気。

30過ぎの脳内オッサンなわしが、わずかに残っている10代の頃の少女の脳を最大限に引き出して鑑賞しますた。たぶん男性は「結局何がいいたいの?」となりそうで理解しないであろう世界観炸裂。それぐらい不思議ワールドな映画。

とりあえずわしのオンナノコだった部分を思い出して観ると結構楽しめました。

ん、でもこういうピュアな映画もたまには悪くない。

失恋した女の子が思い出を忘れないように、幻のJAYのCDを探しながら様々な人たちと出会って、大切なものの存在に気づくお話。

ストーリーは至って単純ですが、出てくるキャラクターが皆変わり者で面白かったです。主人公ポポも不思議ちゃんだし、デビット・ウーは女によって名前を変えているような男だし、イーソン・チャンに至っては何かの宗教の教祖さまのような存在。ダニエル・ウーは極めつけマザコンっていう設定。おかんとのペアルックにちょっと笑える。

そんな人々と出会って行くうちに何かポポが可愛くなっていくんだよね?。心の変化が表情に淡々とだけど、変化していく所は凄くよかったなぁ。

始め観たときはもっさい(←失礼!)感じだったし、気持ちが離れた彼氏の日記を目の前で読むところ「ひーっ!」って思ったのに。

あとショーンは飼い犬を亡くしてうなだれているCD屋の店長なんだがメガネに無精髭で猫背でオタクくんのよう。途中で髭を剃り、メガネを外してスッキリしたと思いきや、やっぱり犬の事となると変人。

ポポもユウも二人ともどこかズレていて、でも純粋。イヤラシイ大人になったわしにはちょっと眩しい存在ですた。

あぁ、でもショーンって演技上手いなぁ。変人の役だけど、押さえ気味に演じているのに、ちゃんとユウって男の子の背景を捉えているよ。

ところでこの映画、ジェイはほぼ出てきません。ラストにちょこと失恋して味覚がなくなった男の役で出演するだけです。でもジェイあんまり演技が上手くない気が・・・ちょっとまだガチガチですね?。

でもこのジェイが演じた男はまさにポポが失恋したときの姿。

ポポが入国審査のシーンで「失恋した私の気持ちわかるの?」と審査官に尋ねた後、その審査官が「ここにいるヒト誰だってわかるさ」っていうシーンが蘇る。

そこでポポがジェイに向かって「失恋したばかりだからね・・・」みたいなセリフを言う。そのセリフはポポが痛手を乗り越え一回り成長した姿を表していて、その入国シーンが効果的に使われていて意味があってよかった。

全体的に、小物の使いかたとかクレイアニメーションとか使っていて手法が面白かった。人物キャラクターもいいし、動物にも表情があるところが内容は平坦でも面白くさせていた気がする。ジェイもほぼ出てきませんが、ジェイの音楽『軌跡』や『斷了的弦』また『愛在西元前』『半獸人』が使われていて、不思議とこの映画の世界に入りこめますた。

2003/香港

監督:林愛華(オーブリー・ラム)

出演:余文樂(ショーン・ユ)/浦蒲(ポーポー)陳奕迅(イーソン・チャン)/呉彦祖ダニエル・ウー周杰倫ジェイ・チョウ