HK CINEMA LABO 映画と猫。ときどき雑記帳

映画ときどき猫。音楽、パソコン、趣味

ダウンタウン・シャドー/神偸諜影

STORY

ジャッカル(金城武)とキャッシュ(チャン・シウチョン)は、企業や機関からの請負により活動する、世界を股に掛けた国際スパイ・コンビだ。そんな彼らの元に仕事のある巨大組織の移住洋機密を盗み出す依頼が来る。依頼人は香港公安局情報部チーフのスタンリー・ウォン(アレックス・フォン)。依頼を断った2人だがスタンリーによって預金口座を封鎖されてしまった。結局ふたりは、スパイのサマンサ(チャーリー・ヤン)やタイタン(ケン・ウォン)、コンピューターのエキスパートであるフェニックス(テレサ・リー)と仕事に取り組む。見事に潜入、機密と引き替えに政府から報酬を受け取る。だが、金の入ったバッグが爆発し・・・

REVIEW

テンポよく展開していき、ロケ地も香港の他、プダペストでのシーンも多くあるので今から10年前の映画と考えてもスパイ映画としてはきれいにまとまってるしスマートな印象。でもスパイ映画なのにドキドキ感が無い・・・

しかもスマートな分、香港映画らしい雰囲気は薄れてしまっていて、個人的にはちと寂しい気もする・・・

またジャッカル(金城武)、キャッシュ(小春)、サマンサ(チャーリー・ヤン)、フェニックス(テレサ・リー)、タイタン(ケン・ウォン)の5人のチームの個々の役割が上手く取れていなかった様な気もした。フェニックスは天才ハッカースペシャリストというのが解るのだが、その他の4人の役割がはっきりしない。サマンサはリーダー的役割で指示を出す要因だが、行き当たりばったりな感が否めないのも事実。細かい部分に詰めの甘さを感じてしまいますた。

たぶんそういうツッコミ所を見てしまったためドキドキ感が薄れてしまったのかも・・・

あと、スタンレー(アレックス・フォン)をもっと絡めて欲しかったかな?。

何故、彼が公安を裏切ったのかを鮮明に描いて欲しかった。

フェニックスの存在ももっと生かして欲しかったなぁと思う。彼女が登場するあたりが物語を面白く感じたので、それがあんなアッサリとはちょっと残念ですた。

それでも、偽ポンド札の原版を奪還するところはスピーディーな展開で“仕事”も面白いし、窃盗団との銃撃シーンや最後、スタンレー(アレックス・フォン)を追う追撃シーンはよかったと思います。アクションシーンはなかなか見応えがあるので、楽しめました。

あと金城武と小春の二人が主役と思いますが、どちらかといえば小春のほうがキャラクターは際立った印象。金城武はあまり表情に変化がないせいか大人しい感じで、喜怒哀楽のある小春に魅力を感じる。この人は主役級の仕事をすると、他の役者を喰っちゃうよね?。演技がいいし、何より役柄の性格を上手く取り入れる人だなぁって思う。金城武も悪くないんだけど、小春が独特で個性的なんだろう。決して見た目はタイプじゃないけど、この人の持つ雰囲気が好きだなぁ。

この映画はディテールにこだわるとツッコミ所も多いし詰めが甘い気もしますが、スピーディな展開でキャスティングもなかなかよい。映画として、大きな感動や印象が残るようなものでは無いけど、観る分には十分に楽しめた作品ですた。

1997/香港

監督:陳徳森(テディ・チャン)

出演:金城武/陳小春(チャン・シウチョン)/楊采[女尼] (チャーリー・ヤン)/李綺虹(テレサ・リー)/王合喜(ケン・ウォン)/方中信(アレックス・フォン)