HK CINEMA LABO 映画と猫。ときどき雑記帳

映画ときどき猫。音楽、パソコン、趣味

ラブ・イズ・マネー/有情飲水飽

STORY

国際的ファンド会社の社長であるリチャード(トニー・レオン)は、大金持ちにも関わらず、徹底したスーパー・ドケチ。日々の暮らしはもちろんのこと、長年付き合ってきた仲間や恋人でさえ、ムダと思えばすぐに切り捨てるという冷徹ぶり。ところがある日、捨てたガールフレンドの逆襲で一文無しに! 普通のOLのチョイ(スー・チー)は田舎の村長の娘。「同郷の男と結婚させる」と譲らない父親に困り果て、都会暮らしも捨てたくない彼女は「エグゼクティブな恋人がいる」と強引な嘘をでっち上げる。そんな2人がある日偶然出会う。リチャードのことを単なる貧乏な男と思い込んだチョイは「お金をあげるから、恋人のフリをして」と一文無しの大金持ちに持ちかけたのだった。

REVIEW

結構、ベタで王道なラブコメですが個人的にかなり楽しめた作品ですた。

ストーリー展開は至って解りやすい構成なんだけど、登場人物のキャラクターがみんな何処か変わり者で、魅力的で退屈しなかった。

リチャード(トニー・レオン)はとにかくドケチ。大会社の社長なのに携帯電話を持たず、人のおごりなら外食をするというドケチっぷり。

わし個人ケチな男って嫌いなんだけど、トニーがコメディをやると、どうも許せてしまう。可愛く見えてしまうんだよぁ?。

お金には厳しいけど、本当はタイトル通りの『有情飲水飽』(愛さえあれば水を飲んでも満腹できる)と思える、自分のお金じゃなく自分自身を愛してくれる女性を求めているどこか純情な男だから魅力的に見えたかも。

チョイ(スー・チー)もよかったなぁ。特に、リチャードがお金持ちと知ってウソが嫌いなチョイが怒りが湧いた所。フォークで刺す所とか、目つぶししてしまう所とか、リチャードをボコボコにしてしまう所とか。こういう純粋で気の強い女ってたぶん損するタイプだと思うけど不器用で好きだなと好感が持てる。

親友のコーラ(テレサ・マク)もどこか変わりもので、ちょっとイケイケな所も好きだったし、リチャードの親友トム(ラム・カートン)も普通ならリチャードのようなキャラなんて嫌になってもいいはずだがドケチっぷりを呆れながらも一貫して楽しんでいる所とか見ていて「なんか、いいヤツだ?」と思ってしまう。  

また、チョイの父親役のウォン・ヤッフェイの存在が面白い。あの大きな目でトニーをじーっと見る所とか、ちょこちょこっとした動きがコミカルでよかった。こういうスパイス的なキャラがいるのもコメディの面白さだなーと感じますた。

王道なコメディって一見誰でも馬鹿やっていればできそうなんだけど、キャラ作りと計算がないと出来ないしその役者自身、魅力がないと面白さが発揮しない難しさがあるんだけど、やっぱトニー自身が上手い役者だからその点はホント安心できますた。

また、王晶監督の作品は商売人気質で観ていて辟易する作品もあるんだけど、こういうコメディを作らせたら、やっぱ面白いわ?と思う。ベタなんだけど安定感があるんだよね。この作品は興行的にはヒットしなかったみたいだけど、わし個人としてはラブコメとしてはなかなか完成度は高いと評価してます。

コテコテのラブコメ、だけど気軽に楽しめてトニーの白ブリーフも拝めるオマケ付き。大きな笑いはそんなにないですが、疲れた時に見るとちょっと楽しめてホッとできて、トニーの魅力いっぱいの映画ですた。

2001/香港

監督:王晶バリー・ウォン

出演:梁朝偉トニー・レオン)/舒淇スー・チー)/林家棟(ラム・カートン)/麥家?(テレサ・マク)/黄一飛(ウォン・ヤッフェイ)