HK CINEMA LABO 映画と猫。ときどき雑記帳

映画ときどき猫。音楽、パソコン、趣味

黒薔薇VS黒薔薇/92黒[王攵]瑰對黒[王攵]瑰

STORY

売れない脚本家のウォン(マギー・シュウ)は離婚したばかりで仕事もうまくいかず、落ち込む毎日。彼女に思いを寄せるロイ・ケイ刑事(レオン・カーフェイ)は、チンピラにからまれていた彼女を助けて気を引こうとするが、キザでちょっとヘンな彼をウォンは無視する。ある夜、海岸で偶然カップルに強盗と間違われたウォンは、彼らの靴とコートを返そうと、親友のキュン(テレサ・モー)と持ち主の部屋を訪ねる。そこで麻薬組織の殺人現場を目撃した彼女たちは、容疑のかかることを恐れて、昔の映画の義賊・黒薔薇のしわざに見せかけて命からがら逃げ出す。だが、現場にキュンの指紋を残したために、彼女は指名手配さてしまい・・・

REVIEW

あー、笑いすぎてお腹イタい。笑い死にするところだったよ・・・

最初から最後までヘンテコなストーリーで一体ジェフ・ラウ監督の頭の中はどうなっているんだろう?と思った。やっぱこの監督一番好きかも・・・。

この作品、60年代の香港映画のパロディが含まれているので、そういうところが解ればもっと面白いだろうな?と思いますた。でも解らなくても大丈夫!十分、いやそれ以上に楽しめます。

主役のロイ・ケイ刑事演じたカーファイ。このロイ・ケイというキャラクターは60年代に活躍した呂奇をモデルにしている。だから気障な雰囲気を持っているロイ・ケイ刑事ですが、もうまったく格好よくないキャラ。もう変人の極み。変に甲高い声なうえ、刑事なのに想いを寄せているウォンの家の鍵をもってストーカーまがいだし、しかもウォンが本物の黒薔薇に捕らえられたきも、全く役にたたない(笑)もうインパクト大きすぎ!!極めつけはヘンな歌!そりゃ吐くって!

わしがまだカーファイという人をそんなに知らなくて、『愛人・ラマン』を観た後の頃、この作品を観たとき何かがガラガラーっと音を立てて崩れていきますた。

それにしても、シリアスからコメディまで何でもできる役者って凄いわ。

そして本物の怪盗黒薔薇の姉弟子、ファン(黄韻詩/ウォン・ワンシー)と妹弟子、ホン(馮寶寶/フォン・ボーボー)がもうたまらん!

妹弟子のホンは健忘症で自分自身やいろいろな物に紙を貼るうえ、姉弟子を母親、ロイ・ケイを父親に思いこむ。恰好も子役時代にやった役を自分でセルフパロディして面白かった!

姉弟子演じたウォン・ワンシーもかなり最高で、鐘が鳴るといきなり後ずさりカンフーの型を始めてしまう始末。あの鐘の音を思い出すたび笑いが込み上げてくる。

またこんなお馬鹿映画でもカンフーアクションは素晴らしい。特にクライマックスのファンとホンのアクション、これはもう興奮ものですた。実は姉弟子ファンより、記憶が戻ってからのホンが実は強かったりするんだよねぇ。

でも、アクションはやっぱりフォン・ボーボーよりウォン・ワンシーが恰好よかったです。

もうね、全編にわたってツッコむこと間違いなし!そのうえ一癖も二癖もあるキャラクターがもう最高です。香港映画の笑いの真髄をここで観た!といえる作品。

どうやら2月7日より再販されるらしいので未見の方は是非!かなりオススメです。

1992/香港

監督:劉鎮偉(ジェフ・ラウ)

出演:梁家輝(レオン・カーフェイ)/邵美[王其](マギー・シュウ)/毛舜[竹/均] (テレサ・モウ)/馮寶寶(フォン・ボーボー)/ 黄韻詩(ウォン・ワンシー)