HK CINEMA LABO 映画と猫。ときどき雑記帳

映画ときどき猫。音楽、パソコン、趣味

イエスタデイ・ワンスモア/龍鳳鬥

STORY

誰もが羨む優雅な暮らしを送るトウ夫妻。しかしその実態は高級品専門の泥棒夫婦だった。ところがある日、トウ夫人(サミー・チェン)は夫から理由も告げられぬまま離婚を宣告されてしまうのだった。それから2年が過ぎ、彼女は資産家の一人息子スティーブからプロポーズを受ける。彼の母親が所有する宝石目当てで結婚を承諾した彼女だったが、プレゼントされる直前に問題の宝石が盗難に遭ってしまう。元夫トウ(アンディ・ラウ)の仕業と確信した彼女は、宝石を追って彼のもとへと向かうのだが…。

REVIEW

アンディ&サミーの組み合わせは安心して観れますねぇ。

ましてや今回のアンディ&サミーは一流の詐欺師でお金持ちという設定なので、凄く華やかで格好いいキャラですた。

冒頭からジョニー先生らしい、スタイリッシュな始まり。タンゴ調の音楽にフランス映画のようなコマ割り。トー先生のセンスの良さが伺えます。

そして何といってもアンディとサミーの騙し騙されの「仕事」の仕掛けが面白い。ケチな強盗ではないので、頭のいい構想が練り上げられた「仕事」が凄く観る側にストーリーの面白さを際だたせていたように感じた。そして何をするにもアンディが一枚上手な所が意味があるって所もいい。

また、アンディがサミーに向ける視線がいいんだよね?。あの視線だけで元妻への愛情が伝わる。特にエレベーターの前に立つサミーを見つめるシーンは凄く良かったなぁ。そして本当はドックレースも実はアンディがサミーを勝たしてあげるような所とか男の優しさが伝わる。

後半はシリアスな展開になるのだが、ちょっと強引な感じは否めないものの、前半の二人の行動や思考が似ているという設定ががこのシリアスな展開に説得力をもたらしてくれている。

だから、アンディが離婚した理由が理解できる。二人はお互い離れていても愛し合っているし似すぎている。だから相手が先にいなくなった時の悲しみが想像できてしまう。だからアンディはいつものような「仕事」をすることで、サミーに自分はまだ存在しているように思わせ希望を持たしてくれるのだ。

そのアンディの行動は愛する人への最上級のやさしさだと感じてしまうし切なくなってしまう。やっぱりトウという男は妻より一枚上手なのだ。

そしてそのトウより一枚も二枚も上手なのが、資産家のスティーブの母アレンを演じたテレンス・インのママ、ジェニー・フー。この人は格好いい人でした。何ていいますか存在そのものがいい女優さんですね。この人のキャラがこの映画を盛り上げてました。

そのアレン婦人と調査員のラム・カートンのやりとりがちょっと面白い。

そんなラム・カートンが「俺は優秀な調査員だ」っていつも捨て台詞を吐いていくのがちょっとツボでした。

ラストの二人は対照的な構図でちょっと切ない。ジョニー監督作品にしては大人しい感じですが、音楽の良さ、スピーディな展開と面白い頭脳戦、何より大人の恋愛を堪能できた素敵な映画ですた。

2004/香港

監督:杜峯(ジョニー・トー

出演:劉徳華アンディ・ラウ)/鄭秀文(サミー・チェン)/呉嘉龍(カール・ン)/林家棟(ラム・カートン)/許紹雄(ホイ・シウホン)/胡燕妮(ジェニー・フー)