HK CINEMA LABO 映画と猫。ときどき雑記帳

映画ときどき猫。音楽、パソコン、趣味

ウィンター・ソング/如果・愛

STORY

それは、初めから実らないとわかっていた愛だったのかもしれない。

映画監督を目指す見東(金城武)と女優を夢見る孫納(ジョウ・シュン)が出逢った愛は、そんな無垢で純真で壊れやすい愛だった。

冬の北京。雪の降る朝、別れは突然訪れる。孫納は、夢を叶えるために愛を捨てた。 見東にとっては、永遠に冬が続くかのように、その時から世界は止まってしまった。

それから10年────。

映画俳優になった見東と女優の夢を実現した孫納は、上海でミュージカル映画の共演者として運命の再会を果たす。

愛が甦るようなラブ・ストーリーを演じ、抱きしめ合う2人が流すのは、10年分の涙だった・・・。

失われた"たったひとつの愛"は、切なくもスクリーンの中でのみ叶えられ、永遠に刻まれることになる。10年間、ただひたすらに孫納を想い続けた見東の愛は、映画の物語と平行して、彼女の心を大きく揺り動かしていく。

二人の本当の想いは、どこに辿りつくのだろうか…。

角川ヘラルド映画会社より抜粋)

REVIEW

『ラブソング』のピーター・チャン監督作品。

観終わって一言・・・うーん素晴らしい!!もうその一言に尽きる。

香港電影&明星迷としても、映画好きという視点から観てもそう思いますた。

まだまだ、公開中なので映画についてあまりふれられないですが、冒頭のミュージカルシーンからこの映画の世界に引き込まれていき、そして過去と現実と虚構の世界が複雑に構成されている所が興味深くよかったです。

そして天使役の池珍熙(チ・ジニ)さんが、この映画のスパイスとなってさらに盛り上げてくれたように思いますた。

それにしても金城武はホントいい役者になったよなぁ。特に30過ぎてから。

林見東ってキャラクターは好きになれなかったけど、すごく林見東っていう人物を表現できていて、俳優って言葉より役者って言葉が似合うようになってきた気がします。

しかし、ジョウ・シュンちゃんって凄くキュートだなぁ・・・ちょっと小悪魔顔ってのが、観ていて納得。ちょっと冷たいキャラかな?って気もしたけど、それがかえって孫納というキャラの背景を生かせていたような気がする。

ミュージカルシーンはやっぱ感動もので、張學友の歌声が流れた瞬間、映画館の空気が一瞬にして変わったのが肌で感じました。もうトリハダもんですた。しかも設定上、難しい役どころを落ち着いた演技で表現している。うわ?やられたー!!っと思いますた。金城武も周迅ちゃんもよかったけど、この人の存在感のせいか、聶文というキャラに感情移入してしまったよ・・・

『ラブソング』とはまた違った作品ですが、陳可辛監督特有の切なさがありますた。そして監督の嫁のサンドラ姐が出ているのも個人的には嬉しかったです。

ミュージカルの歌詞に意味があるのもよかったし、過去、現在、虚構の世界のストーリーはそれぞれシンプルなんだけど、それが絡みあうと厚みが出てこの映画の世界観に浸れ、観ていてイイ意味で贅沢な映画だなーっと感じました。

大きいスクリーンで観る価値のある作品ですた。

2005/香港

監督:陳可辛(ピーター・チャン

出演:金城武/周迅(ジョウ・シュン)/張學友(ジャッキー・チュン)/池珍熙(チ・ジニ