HK CINEMA LABO 映画と猫。ときどき雑記帳

映画ときどき猫。音楽、パソコン、趣味

ヒーロー・ネバー・ダイ/眞心英雄

STORY

反目しあう黒社会の二大組織。凄腕のジャック(レオン・ライ)は策略家のペイの配下に、そして腕利きの殺し屋チャウ(ラウ・チンワン)はチョイの配下で、お互いに敵のボスの命を狙っていた。

ところが二大組織の抗争でジャックとチャウは壮絶な銃撃戦の末、勝負がつかないまま力尽きる。それぞれの組織のボス、ペイとチョイはタイの麻薬王“将軍"の調停で協力関係に。

ジャックもチャウももはや用無しとなり、組織の魔手がのびる。

REVIEW

この作品の何がイイかというと、短時間の作品の中にある濃い内容。

奇妙な殺し屋2人の男の絆、女たちの強さ、悲しみ。

そして、あらゆる場面で痺れる演出。

カッコいいだけでは語れない“2人”の復讐にが泣けてしまう。

序盤の銃撃戦の演出、ジャックとチャウのバーでのコインで競い合うシーン。

そしてそこで残すワインボトルにこれから起こる事の予感が秘められて、この物語の面白さが際立ち、見ているうちに引き込まれてしまう。

そしてジャックとチャウ、それぞれが組織に裏切られた後の女たちの強さ、痛みがこれまた胸を締めつけてグッときてしまうんだよ。

チャウの女は両足の無くなったチャウのために戦い尽き果て、ジャックの女は命がけでジャックを守り、女として生きる力を失ってしまう。

だから、男たちが復讐に立ち上がる姿に感情がこみ上げてしまった。

そして最後の銃撃戦で"2人″で復讐するシーンに圧倒されてしまう。

時々バックで流れる“スキヤキ”の曲で泣かされてしまい、残ったワインボトルが切なくて、ここまで絆や愛、刹那を描いた作品は観たことがないほど。

これを傑作と言わずして何が傑作というのだろうと唸る一本。

1998年/香港

監督:杜琪峯(ジョニー・トー

出演:黎明(レオン・ライ)/劉青雲ラウ・チンワン)/梁藝齢(フィオナ・リヨン)/蒙嘉彗(ヨーヨー・モン)