HK CINEMA LABO 映画と猫。ときどき雑記帳

映画ときどき猫。音楽、パソコン、趣味

誰かがあなたを愛している/秋天的童話

STORY

演劇の勉強のためNYへ向かったジェニファー(鐘楚紅)は、そこで部屋を提供してくれ親戚すじにあたるシュンタク(周潤發)と出会う。シュンタクは33歳でチャイナ・タウンのレストランで働くギャンブル好きの粗野な男だった。そんなシュンタクにジェニファーは怪訝な顔を浮かべる。ある日、一足先に留学していた恋人のビンセント(陳百強)に会いにいったジェニファーは彼に新しい恋人ができた事を知りショックを受ける。そんなジェニファーを放っておくことができないシュンタクは彼女のそばで過ごしているうちに恋心を抱くようになり、ジェニファーもシュンタクの優しさにふれ好意を抱くようになるが・・・

REVIEW

基本的にラブ・ストーリーは苦手ですが、この作品はお気に入り。

展開が穏やかに進んでいって、大人な世界感を醸し出しています。ユンファとチェリー・チャンという名コンビなのも安定感があってよかった。

NYの片隅で出会った男と女の話。その二人が過ごす日々を描いただけなんだけど、なんか穏やかで優しい気分になる。

とにかくユンファがイイのよ。ギャンブル好きで不器用な男なんだけど、チェリー・チャン演じるジェニファーのそばにいつもいて時には厳しく時には優しく接していてその姿がグッとくるんだよね。

ジェニファーのことを意識するようになってからのシュンタクがまた切ない。鏡にこれからの決意を書くシュンタクが、その最後に「僕は彼女を愛している」と書いて、すぐに「誰かが彼女を愛している」と書き換えるシーンがあるが、そこにシュンタクの不器用さとジェニファーへの想いがサラッとだけど深い想いがあるのがイイ。気障なセリフもカッコよさもない、だけど常にそばにいてくれる男ってイイわ。このユンファは惚れますぜ、奥さん。

またチェリー・チャンが可愛すぎ!そりゃ惚れるわ・・・ジェニファーも最初はシュンタクのことをダサクて荒っぽい男だと思うんだけどシュンタクと過ごすうちに彼の本質に惹かれていくところが穏やかに描かれていた。

ラストのプレゼントのシーンがお互いの気持ちの繋がりを見せつけてくれていて、派手さはないストーリーだけどNYの秋の美しい風景と合い重なって穏やかな気持ちになれる一本。

1987/香港

監督- 張婉停(メイベル・チャン

出演-周潤發(チョウ・ユンファ)/鐘楚紅(チェリー・チャン)/陳百強(ダニー・チャン)