大陸英雄伝/和平飯店
STORY
1930年代、上海郊外。「和平飯店」というホテルがあった。「和平飯店」には何人たりとその敷地内で争うことを禁じられ、過去を触れられたくない者たちにとっては最高のたまり場だった。そして店主のピン(チョウ・ユンファ)は10年前上海で200人のギャングを殺し、殺人王の異名を持つ伝説の男だった。 ある日「和平飯店」にマン(イップ・トン)という女が現れる。馬賊に追われている彼女は他の客たちにピンの別れた妻だと偽りホテルに居座る
REVIEW
ユンファのハリウッド進出直前の作品です。西部劇のような作りにアクションが銃ではなく剣なのでちょっと異色。でも、期待ほど評判が上がらなかったと記憶しています。
正直、主人公ピンと亡き妻のエピソードにもっと練りこんで欲しかったし、ラストも少し物足りなかった。
んが、個人的には好きな世界観ではある。
冒頭、ピンが階段をゆっくり駆け上がりながらギャングたちを冷酷に殺していくシーンは迫力もん。そんな男が、マンと愛し合うようになってから優しい瞳を向ける。そのギャップにピンの心情がうまく表れていて引き込まれた。
そして、イップ・トン演じるマンのじゃじゃ馬っぷりが強烈で、生命力を感じさせた。「和平飯店」でマンが歌を歌うシーンはそんなマンだからグッとくるものがあったし、この作品の名シーンのひとつ。
全体的に派手さはなく、排他的なイメージだがノスタルジックな世界観に惹かれた一本。
1995/香港
監督- 韋家輝(ワイ・カーワァイ)
原作-韋家輝(ワイ・カーワァイ)/周潤發(チョウ・ユンファ)