HK CINEMA LABO 映画と猫。ときどき雑記帳

映画ときどき猫。音楽、パソコン、趣味

オーバー・サマ ー爆裂刑事/爆裂刑警

STORY

一本気な刑事マイクと“仕事より女”のブライアン。対照的な性格の二人は仕事では息のあったコンビで固い絆で結ばれている。ある日、二人は凶悪な強盗犯を逮捕するため張り込み捜査を開始する。張り込みに都合のいい部屋を見つけ、少しボケのある気のいいばあさんを説得して強引に上がり込む。捜査はなんとか順調に進んだかに見えたのだったが……。

REVIEW

冒頭の犯行シーンが悲惨な描写だったので、クライム・アクションかな?って一瞬思う。でも、実はしっかりと人間ドラマを描いています。

この頃から、呉鎮宇はいい人の役も増えてきましたね。

この作品でも、不器用でぶっきらぼうな刑事を演じていますが、これがなかなか味わいのある恰好いいキャラクターで魅力を感じてしまう。

もう一人の主人公ブライアン演じたルイス・クーも鎮宇に負けじと濃いキャラクター。しかもこの頃の古仔の顔って黒っ!!って思いません?(笑) まぁ男前なので何でもアリですけど。

物語は、ロー・ラン演じるおばあさんのアパートに張り込んだあたりから流れが一変、妙に緩い空気が流れて、その雰囲気が凄くよかった。もう、ロー・ランが凄くかわいい、キュートなおばあちゃんで、このおばあさんの存在が物語を左右させたんじゃないかなぁ。

孤独に生きてきたマイクの決して叶わないささやかな家庭を夢見る姿が泣けるんですよねぇ・・・。主人公のマイクは悲しい運命だが、未来感じる終わりに爽快感を感じる

家庭の温かさを知らない主人公がマンションの小さな一室で出会った人たちと疑似家族を体験する。それは一時でもマイクにとっては幸せな日々だったのかも知れない。だって観ているこっちまで暖かさが伝わるから。

そして、普通ならば出会うことのない人たちが、ひょんな事で出会って食卓を共にする。それは何かの縁で出会っただけかも知れないけど、そこから生まれた奇妙な絆に泣けますた。

映画としてアクションシーンもテンポ良く仕上がっていて、泣き所もさりげない。そのさりげなさが何とも言えない。ちょっと笑えて、切なかった。秀作です、これ。

1999年/香港 

監督- 葉偉信(ウィルソン・イップ)

出演-呉鎮宇フランシス・ン)/古天樂(ルイス・クー)/林美貞(ステファニー・ラム)/莫雅倫(ミッシェル・アリシア・サラーム)/羅蘭(ロー・ラン)/李燦森サム・リー