ブエノスアイレス/春光乍洩
STORY
南米アルゼンチンへとやってきた、ウィン(レスリー・チャン)とファイ(トニー・レオン)。幾度となく別れを繰り返してきた2人は、ここでも些細な諍いを繰り返し別れてしまう。そして、ファイが働くタンゴ・バーで再会を果たすが...。
REVIEW
香港の裏側にアルゼンチン、ブエノスアイレスの地を旅するゲイカップルの人生模様を描いた作品。第50回カンヌ映画祭最優秀監督賞受賞。
正直、最後まで見るかどうかとまどった作品。
実はウォン・カーファイの作品は相性が合ったり合わなかったりで、それ以前に同性愛を描いたテーマが理解できるかが不安でした、でも、いざ観ると同性愛とかそんなこと気にならない作品でした。
よりを戻したり、離れたりしては「やり直そう」とファイの元へ戻るウィン。ウィンのわがままにうんざりしながらも、それを許しウィンを向かい入れるファイ。その姿はどこにでもある男と女の姿と変わりない。だけど、不思議なもんでひとつひとつの場面が心に沁みる。
後半ウィンがファイを想いファイの幻とダンスするシーンは結構泣けた。ただやっぱりウォン・カーファイ作品。何となくだがスタイリッシュな感じに仕上げてしまうところがついて行けなかったのも本音。ドロドロしすぎて見終わるまで体力がいる。
でもこのウォンやファイの役はレスリーやトニーしかできないだろうなぁ・・・
この2人はやはり役の心情を表現するのがうまい、だからこそ成り立つ映画とも思える。
それと、ファイが働いていた職場の後輩チャン(チャン・チェン)が良かった。彼がこの作品のスパイスになっていたんじゃないかと思う。
好き嫌いがはっきり分かれる作品とは思うが、こういう作品もたまにはイイかなと言うことで
1997/香港
監督- 王家衛(ウォン・カーファイ)